海外にモノを送る時はどうしてもお金がかかってしまう。
買ったものそのものよりも送料のほうが高くついてしまったなんてことも。
今回紹介するAirmuleは海外への郵便物をより安く、早く届けるシステムを作り上げた。
※現在はアメリカと中国を中心とした一部の地域をつなぐルートをメインに展開中
個人の依頼者もいれば、中小企業の依頼も多いという。
例えば、アメリカから中国へ重量7ポンド(約3.175kg)の荷物をフェデックスやUPSを使って送ると$200程の送料がかかるが、Airmuleを使用すると$50-$60程で送ることができる。
独自のルートを展開しているわけではない、旅行者をルートとしているのだ。
旅行者はスーツケースの余ったスペースを利用して荷物を運ぶ事でお金を稼ぐ機会を得て、依頼者は安く荷物を送ることができる。
中国へ荷物を届ける場合だと、航空券代の半分以上稼ぐ利用者も存在するよう。
オーストラリア出身、創設者のRory Feltonはこのアイディアを、自身はカリビアンに住んでいた頃に友人に旅行に行くたびにお土産などを届けてもらうよう頼まれたことから、システム化して便利に利用できるようにならないかと考えた時に生まれたと語る。
【システムの流れ】
まず、依頼者は料金や旅行者の出発日などを見て、依頼する旅行者を決める。荷物についての情報を送り、旅行者が了承したら、旅行者に荷物を預ける。
壊れ物を依頼する際は旅行者によっては承ってくれる。TSAでは今までに問題があったことはなく、当然旅行者には依頼された荷物が何か知る権利がある。
旅行者が現地に到着した後、旅行者と最終受領者は直接会えるのであれば駅やカフェで荷物を手渡し。難しいのであれば安くて追跡番号も発行されるSF express (中国USPS)で荷物を送り、受取人がその分の配送料を払う。
依頼者、旅行者、最終受領者の間でのメッセージ機能が使えるため、直接会う場合は事前にコンタクトを取っておくことも大切だ。
旅行者は荷物が届け先に届いたと確認が取れた時に報酬が銀行口座に振り込まれる。
これを可能にするには利用者のセキュリティー管理・信頼関係がとても重要になる。
Airmuleは独自にオンラインとオフラインで登録者を審査する。
【登録とセキュリティー】
旅行者:
運転免許証やパスポート、住所、銀行口座、電話番号を確認し、そしてFacebookやLinkedInと照らし合わせる。また、アプリ上で顔写真と簡単なプロフィール、評価やコメントが表示される。
依頼者:
電話番号、emailアドレス、顔写真、クレジットカード、住所を登録することになっているが、現在新たに更なる認証方法を検討している。
Roryは元のアイディアを形にするため数年構想を続けていた。
そんな時、Angellistというスタートアップ情報が載っているウェブサイトで出会ったSean Yangは同じ問題を抱えていた。
Seanは上海からアメリカへの輸入をしていたこともあり、アメリカと中国のロジスティク、イーコマースのバックグラウンドを持ち、需要と管理システムに対しての知識もあった為、二人はタッグを組むことに。
アプリがローンチしてから数ヶ月、会社として始動して約1年。今もビジネス拡大の為、投資金を募っている段階でもある。
創始者のRoryが初めて会社を立ち上げたのは約16年前、彼が大学生の時。USC (南カリフォルニア大学)の寮の部屋でBMG Music Publishingというレコード会社を立ち上げ、契約したパンクグループ (サマーソニックにも出演したThe Rocket Summerや、Cartel、Copelandなど)が日本で人気になり、日本の様々な都市に旅行し、Avexなどの日本のレコード会社とビジネスをしたことも。
その時は日本人のおもてなし心に感動したそう。
日本と海外を行き来する際にAirmuleアプリを試す人たちが増えるよう日々奮闘している。