アメリカのAmazon倉庫を支えるCamperforce!!~新しい雇用の形~

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Amazon 倉庫

今や人々の日常に欠かせないAmazon。皆さんもAmazonで日常品や本などを購入したことが一度はあるのではないだろうか。Amazonの存在感は日々増しており、Business Insiderの記事によると2016年アメリカのオンラインによる小売り販売の43%がAmazonだったと述べられている。

アメリカでは、ターゲットやウォールマートの店舗先に行かずに、Amazonで全て購入する人なども多くみられ、日本以上にAmazonのシェアが進み、今後もさらにAmazonの快進撃が期待される。

そんな圧倒的なスピードで成長を続けるAmazonの巨大倉庫を支えるCamperforceというAmazonの労働者を聞いたことがあるだろうか?

彼らはキャンプをしながらAmazonの倉庫で働いており、今のAmazonの成長には欠かせない存在である。

今回は日本では聞きなれないアメリカAmazonの巨大倉庫を支えるCamperforceを紹介し、そこから見える新しい雇用のアイデア、アメリカの抱える問題に迫りたい。

 

Amazonの倉庫を支えるCamperforceとは!?

Amazon 倉庫

Camperforceとは、Amazonの配送が忙しくなる秋から12月の下旬までAmazonの巨大倉庫で働く短期雇用者のことを指す。彼らは個人のキャンピングカーをAmazonの工場近くのキャンプ場に泊め、3~4か月Amazonの巨大倉庫で働く。

参加者として、既に仕事をリタイヤした高齢者やノマドワーカーなどが参加しており、勤務先は年によって変わることもあるが、今年は中西部に位置するテネシー州、ケンタッキー州の4つの工場で応募があった。その他にも年によってはアリゾナなどの工場での勤務がある。

時給は州により異なるが、ケンタッキー州のShephardsvilleの工場では11.00ドルで、仕事が認められると1ドル加算される。また、残業代、キャンプ代にかかる電気、水道代も支給される。職種は5つあり、Receiving, Stowing, Sortration, Shipping, Pickingである。

そもそもCamperforceが生まれたきっかけは?

2000年代からアメリカのAmazonでは、毎年秋からクリスマスにかけての大きな需要に対して、巨大倉庫の人材が不足する問題があった。そのため、その時期にかけて短期雇用者を増やそうと試みたが、倉庫が都市部から離れた場所にあるため、一般の人を集めることが難しかった。

そこで、人材エージェントと考え抜いたのち生まれたのが、Camperforceのアイデアだった。宿泊先もいらず、比較的立地に拘束されないキャンピングカーを持つ高齢者や、旅などが好きで定住先を持たないノマドワーカーなどにターゲットを絞り、Camperforceが結成された。

結果、Amazonの成長と共に、Camperforceに参加する人の数も増えていった。

 

Amazonの倉庫での働き方には賛否両論

Amazonの倉庫は過酷な重労働が故に、メディアや労働者から批判されることがある。実際にAmazonの倉庫でCamperfurceとして参加した人のコメントによると、10時間拘束され、休憩はわずかの30分ほどしかないと言う。また、職種によっては巨大倉庫を歩き回り、巨大倉庫を一日20キロ以上商品を抱えながら歩き回らなければならない。

以上の話を聞いただけでもアマゾンの倉庫での労働の過酷さが伺える。ただ一方では、Camperforceに参加して、また翌年も参加する人も多い。彼らは単純な作業なので、仕事に慣れることさえできれば、短期で一気に稼げる良い仕事だと考えている。

 

考察

今回のAmazonの倉庫を支えるCamperforceについて、いくつか気になる点をまとめた。

①新しい雇用方法

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今回のキャンピングカーを持った人に絞った雇用方法は、アメリカの文化をうまく使った雇用方法に感じる。アメリカではキャンピングカーを持っている家庭が多く、車で生活することに抵抗がない。ただ単に求人掲載をするのではなく、雇用の方法やターゲットを変えることで問題を解決することができることを改めて感じることができた。

②単純労働のオートメーション化

Amazonの倉庫では多くの機械が導入されている。Seattle Timesによると、2016年の45,000台のロボットが倉庫で稼働しており、2015年から50%も増加しているとのこと。もちろん、Camperforceに参加する従事者も現在は増加傾向だが、いずれは減少していくと考えられる。彼らは今後彼らの職を奪うかもしれない最先端の機械と接しながら、働らかなければならない。

③ブランディングの上手さ

Amazon 倉庫AmazonはCamperforceと名を付け、キャンプの部分などを押し出すことで、労働の泥臭さを上手く消している。また、ノート、キーホルダーなど多くのマーケティンググッズがあり、キャンプしながら楽しく仕事ができるイメージを想起させるブランディングがなされている。

その結果、毎年Camperforceに参加している人も多い。企業のブランドを高めるうえでも、良い仕事場であるイメージを持ってもらうことも大切な戦略であると言える。

 

④アメリカの高齢者による貧困問題

アメリカでは高齢者による貧困問題がしばし話題に上がる。

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2016年GOBankingRates surveyの調査によると、35%のアメリカの成人はわずか数百ドルしか貯金しておらず、また、他の違う調査によると、世帯主が50歳から55歳の家庭の貯蓄の中央値は$8,000で、56歳から61歳の家庭の貯蓄額の中奥値は$17,000でだった。

日本の内閣府によると、日本の60歳以上の方の平均貯蓄額は、2,499万円($222,660前後)で大きな差が開いている。

これらが示す通り、アメリカでは仕事ができなくなったことを考え、貯蓄している家庭が少ない。そのため、高齢者になってお金が無くなり、特別なスキルがいらないAmazonの倉庫の仕事(Camperforce)などに従事している高齢者が後を絶たない。アメリカでの高齢者が生活する難しさを浮き彫りにしている。

 

まとめ

今回はAmazonの巨大倉庫を支えるCamperforceを紹介した。この題材には新しい雇用のアイデアや労働問題などが多くの側面を見ることができた。今後もCamperforceがどのようにAmazonを支えていくのか、また、Amazonの今後のビジネスにも期待して見てみたい。

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