現在シリコンビーチに在住の マイレン山本は、2015年4月にアジア旅行へ向かい飛行機に乗った。
その飛行機の中で機内食が出た際にお箸が何度も何度も転がったという。ハワイで育ったマイレンはアジアの食カルチャーもよく知っており、あるアイデアを思いついた。
「箸置きがついていれば良いのに」と。
その後アメリカへもどり同年7月から箸置き付き割り箸作りを開始し、納得のいく商品が完成するまで試行錯誤し1年程かかった。
世間で使用されている割り箸の約45%は木で出来ているが、竹は切っても成長が早く、木と違い強度があり丈夫だ。環境にも優しく量生産に向いている事から、Cropsticksは竹で箸置き付き割り箸を作っている。
実際に私もこの箸置き部分を割ってみた。簡単に割れる。だがお箸部分はとても丈夫だ。
上手に作られている。
アメリカのホテルや高級レストランで使用されているお箸は松材で作られた物が多く、一本十数セントほどするそうだが、Cropsticksのお箸はもう少しお手頃価格で購入できるようになるそうだ。
商品を開発するにあたり、4人のFounderがチームとして参加している。
マイレン・ヤマモト
現在CliqueNowというタレントマネジメント会社を経営。ロサンゼルス(シリコンビーチ)に拠点を置き、Youtubeスターのマネジメントをしている。また、ロサンゼルスのLoyola Marymount Universityにてクリニカル教授/実業家育成部門アシスタントディレクターとして、起業家又は起業家になりたい学生達に講義を行っている。
ジェイ・チャン
現在USC(南カリフォルニア大学)にてベンチャーコンサルタントとして学生起業家達を育成中。家族は竹製品の生産をアジアで行っていることから、幼い頃からアジアの竹製品工場へ行く事が多く製造業を学んだ。竹製品業界では15年以上の経験を持つ。
ロン・タンシンコ
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を卒業後、メディアエグゼクティブ、クリエーティブディレクターとして活躍中。このお箸の新規事業開発を積極的に担当している。
シャノン・タケバ
ラグジュアリーホテルのリテイルチェーンアソシエイトプランナーとして入荷商品戦略などを行っており、Cropsticksではファイナンスも担当している。
また、ハワイにも新規事業開発やパッケージなどのデザイナーをおき、約9人のチームで構成されている。
全員がフルタイムの仕事を持ちながらCropsticksを作り上げている。
モダンなグリーンと白のパッケージは世間にウケそうなデザインだ。
レストランやお店向けにカスタマイズも可能でオリジナルを楽しめる。アメリカの割り箸入れには割り箸の使い方が書かれている事が多いのだが、Cropsticksの割り箸入れにはどのように箸置きを割るか、どのように使うかが絵で説明されている。
Cropsticksの立ち上げは、クラウドファンディングで有名なキックスターター(Kickstarter)を利用し、多くの個人投資家からファンディングしてもらうところから始まった。すでに多くのレストランや大手日系企業からなども問い合わせがあり、キックスターターを利用した事がゲームチェンジャーになったとマイレンは話してくれた。
今後は、SUGARFISH by Sushi Nozawa, Roys, P.F. Chang’sなどの有名レストランや、 Googleなどの大手企業のカフェテリアで利用してもらいらい。そしてAnthony Bourdainなどの有名シェフとコラボもできれば嬉しいと語ってくれた。
「そして近い将来アジアへも進出を図りたい。」
これは夢では終わらず、もうすぐ多くのレストランやお店でCropsticksが使われるようになるだろうと私は思った。
スタートアップを始めるのはとても楽しいが、マーケティングにも力を入れていかないといけないし、商品開発も完璧に出来ているか確かめながら仕事を進めていかないといけないのが大変である。
今Cropsticksが目標とするゴールは、数千件のレストランに環境に優しいCropsticksの割り箸をつかってもらい、次世代に向け、エコロジーな環境にしていく事がミッションだそうだ。
またシリコンビーチで起業した理由を最後に聞いてみると、シリコンビーチはスタートアップのサポートシステムが成り立っておりビジネスをしやすい環境だ。そしてLAXにも近く出張にも行きやすい。インフルエンサーやエンターテイメント業界も多く存在しているところもとても良いという。
アメリカで今まで日本のように箸置きを使用する事は少なかったが、Cropsticksの箸置き付き割り箸が今後多くの人に使われることにより箸置きが主流になっていくだろう。
Cropsticksは、現在各国で特許出願中。
現在ウェブサイト上で海外からの受注も受け付けている。
日本でもこのお箸を使いたい、又はビジネスについてのお問合せは以下メールアドレスまで。
HIPSTARTERS@talisman-corporation.com