Lumenus(ルミナス)が開発したLEDライト付きのウェアラブルは単にライトが付いているだけでなく、なんとZero UI(インターフェイスの無いデバイス)だそう。
Lumenusアプリを携帯電話にダウンロードし、そこで走行したいルートを入れる。そしてブルートゥースで携帯とウェアラブル(ジャケットなど)に繋ぐ事で、携帯電話を触らずにもLEDライトが勝手に光ってくれる仕組みになっている。また、曲がるときはライトが点滅、止まるときにはジャケットについているブレーキライトが付く。これをLumenus創設者のJeremy Wall氏(ジャーミー・ウォール)はZero UIと呼ぶ。
– ジャーミーさんのバックグラウンドを教えてください。
ノースカロライナ州立大学のファッション・テキスタイルデザイン科でプロダクト開発やテキスタイルデザインにつき学びました。アウトドア商品のデザイン・開発がしたかったので、その業界ではよく知られるパタゴニアなどの会社で働きたいと思っていました。
そんな時、実は自転車を運転中、車に引かれそうになった事がありました。自転車にはライトやリフレクターが付いていたにも関わらず、車の運転手には見えていなかったようです。事故を防ぐという目的では、自転車についていたライトとリフレクターがあまり役立っていないことに気付いたのはその時でした。
そこでLumenusのウェアラブルアイデアを思いつきました。
サイクリストやバイカーなどの命を守る為に作られたウェアラブル商品は既に他からも沢山出ていますが、スタイリッシュな物があまり無かったのでファンクション+スタイリッシュな物が必要ではないかと考え作り始めました。
– いつこのビジネスを立ち上げたのですか?
4年前、ライトを服につけてみたりなど色々試行錯誤しながらデザイン開発していました。そして、個人投資家より25万ドルのシード投資頂けたので、ロサンゼルスへ来て本格的に商品化できるよう、Lumenusを立ち上げました。現在ではiOS、Android共に対応できるアプリケーションが作れ大量生産できる環境になりましたので、これから日本を始め海外へ進出していきたいと考えています。
スマートライティング分野では先端を走っていると思います。
– 今後のターゲットや競合との差別化などについて教えてください。
単にライトのついた服であれば、自転車に既に付いているライトやリフレクターとあまり変わりが無いかもしれません。Lumenusではソフトウェアを開発し、サイクリストやバイカーが実際に道で曲がるときに服のライトがシグナルを出し、止まる寸前にはライトが点滅ます。また、携帯電話やスマートウォッチとライトがブルートゥースでつながっている為、ライト点滅させる際にボタンを押したりなどせず、勝手にライトが点滅してくれます。アプリケーションがあなたの走行するルートを覚えライト点滅をさせるのです。ソフトウェアに新しい機能が追加された場合も新しい服をその度買う必要は無く、随時アップデートされるようになっていますので、長期的にお使いいただけます。洗濯機で洗うことも可能です。
そして、自転車やモーターバイク、ランニングなど使い用途によりソフトウェアの必要機能が変わって来ますので、色々なお客様に商品の感想を頂き皆様に喜ばれる安全かつスタイリッシュな商品に出来るよう日々努力しています。
– どのようなお客さんをターゲットにしていますか?
サイクリスト、バイカー、ランナーを始め多くの方に使って頂けますので、皆さま対象になるかと思います。
また、B to Bとして一緒にパートナーシップを持ちお仕事できる企業も対象となります。
現在は、ヘルメットやゴーグルを開発するBolléや、バックパックで有名なTimBuk2などの会社とパートナーシップを持ち、Lumenusテクノロジーを使った商品開発を行っています。今後も多くの会社と共に、既存商品とLumenusテクノロジーがコラボされた新しい商品を開発していければと思っています。
– 今後ビジネスを拡大していく際、どのような投資家や企業と繋がっていかれたいですか?
日本はとてもファッションやテクノロジーの先端を進んでおり、ぜひ日本の投資家やソフトウェア開発をしているエンジニアなどにも出会いたく思っています。また、パートナーシップを持ち一緒に商品開発出来るメーカーなどとの出会いがあると嬉しいです。
– これまでにどのような出資を受けられましたか?
アウトドア用のブルートゥースやヘッドフォンなどを開発するOutdoortechの創設者、営業VPに加え会社設立に携わったメンバーがLumenusのエンジェル投資家、アドバイザーとして参加しており、彼らのネットワークには素晴らしいバイヤーや販売代理店がいるのでビジネスを進める上スムーズにいっています。
次のSeedラウンドファンディングは、11月初旬に開始する予定です。金額は75万ドルをターゲットにしています。
来年は、CESやIDTechExへ出展し、多くの方の前で商品を紹介する予定です。そこで多くの投資家とも出会えればと思っています。
– 一日のスケジュールを教えてください。
出張やプロジェクトにより一日のスケジュールが変わってきてしまいますが、通勤はいつもサイクリング又は走って行き来するようにしています。
また、毎日15分のメディテーションは欠かしません。オフィスに着いたら一日のスケジュールリストを作るのも日課です。
– 良く使う携帯のアプリは何ですか?
Lumenusアプリ以外でですか?(笑)Outlookと言うと仕事しかしてないように聞こえるのでその他で言いますね…(笑)
Spotifyの音楽アプリをよく使います。仕事中、ムードによって聴く音楽ジャンルを変えてます。
Snapchatも家族や友達と連絡を取り合う手段としてよく使っています。
– 好きなハングアウト場所はどこですか?
ロサンゼルスダウンタウンにあるLumenusオフィス横にあるルーフトップバーは良い雰囲気なのでよく行きます。
Runyon Canyonへハイキングに行くのも好きです。
– あなたが影響を受けた人物はだれですか?
パタゴニアの創設者であるYvon Chouinard氏やナイキのデザイナーである Tinker Hatfield氏です。
ビジネスを運営するにあたり、お金を稼ぐというよりも交通事故を防ぐという点に焦点を置いている彼は、先日もワシントンへ向かいアメリカ合衆国国土安全保障省との会議へ出席した。そこでは、Lumenusのテクノロジーが取り入れられたユニフォームやギアを開発するよう話が進んだそうだ。
近い将来、警察官や消防士、そして多くの人たちがLumenusを身に着ける日が来るだろう。
Lumenusライト付きバックパックは、現在ウェブサイトで$125で予約販売中。ジャケットは$300で販売予定だそう。アウトドア好きな方へのプレゼントとしても喜ばれる事だろう。