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リモートワークを当たり前に – Caster –
慢性的な人手不足の問題、また必要とされるスキルの多様化により、各分野のスペシャリストが求められるということもあり、クラウドソーシング等の「新しい働き方」がどんどん加速していっている。しかし、実際にはまだまだ需要と供給が伴っていないように感じる。そんな状況にメスを入れるべく「リモートワークを当たり前に」をミッションに「労働改革」を進めている株式会社キャスターの代表取締役・中川祥太氏にお話しを伺った。
-Casterのサービスについて教えてください。
弊社は2014年9月に創業し、バックオフィス業務をリモートワーカーが請け負う「CasterBiz」、そしてデザイナーとエンジニア等の専門職に特化した「Remote Style」、もう一つは「在宅派遣」という事務員に特化したサービスの3つの事業を展開しています。
「CasterBiz」は優秀なアシスタントに、様々なバックオフィス業務を依頼できるということが特徴です。 9:00~18:00のサービス提供時間内はそのアシスタントがお客様と常時コミュニケーションが取れるよう待機しています。 1ヵ月の利用時間は実働30時間で、たとえば航空券やホテルの予約等を頼みたい時は、そのオーダーに対して業務にかかった時間を30時間から消化する、というシステムです。 コミュニケーションは迅速に、かつタスクに関してはどれだけのボリュームがあってもこなせるようになっています。
現在は収益のほとんどは「CasterBiz」と「Remort Style」で上げており、徐々にサービスを拡大し収益に繋げていっている段階です。
2年目の会社ですが、業務委託者もすべて含めて従業員数は170名ほどです。ご覧の通り渋谷に本社がありますが、従業員すべてがリモート勤務しております。日本国内はもちろんアジア圏、ヨーロッパ圏、時にはアメリカにも従業員がいます。本社には5名くらいですね。
-中川さんのバックグラウンドを教えてください。
大学1年生の時にライブドアマーケティングでアルバイトをしながら、お金をたくさん稼がせて頂き、その後1年半ほど自営業をしたのですが、資金がつきてきたのでオプトという会社に転職し、その後2012年から3年程、イー・ガーディアンで経営事業企画に携わっていました。 BPOの会社だったのですが、そこでBPOセンター設立の業務や、クライアントのオーダーをそのセンターにどれだけ、どういう形で落とし込むか、ということをしていたのですが、そのうちにクラウドソーシング事業の成長、可能性にビジネスチャンスを感じ、起業にいたりました
-起業のきっかけは何ですか。
学生時代は大学入学のために勉強はしてきたのですが、1年生からいろいろな会社で働いたこともあり、あまり「起業する、しない」という概念はもっていないです。お金をもらえる先がお客様なのか会社からなのか、ということですね。
キャスターを起ち上げたときは、ベンチャーバブルという時期も大きかったですし、クラウドソーシングのプレーヤーが雑なところが多かったということもあります。 BPO業界は人手不足を最前線で感じる領域です。その兆候は2014年の段階から強く出ていました。そして兆候がでているにもかかわらず、表面的な対策しかとれていない状況を見て、これは商機になるなと感じていましたので、自分はその分野でスキルセットも持っている、資金もだしてくれる方がいる、というタイミングも重なり、起業に至りました。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
「CasterBiz」に関しては中小企業がターゲットです。中小企業は大企業と違い、バラバラになることもできず、人を雇う方法を考えるか、だめになるかしかない切羽詰まった状況です。ですので中小企業のほうがこのビジネスに関する温度感が高い。そこをターゲットにサービスを提供するというスタンスを取っています。
似たようなサービスもありますが、現在競合となるところは出てきていないと感じています。たとえば秘書代行、経理代行もありますが、実際に中小企業のロットはとても小さいのであまり細分化したサービスだと、彼らの要望を受けきれないんですね。また派遣・パート・アルバイトの分野でも、雇用統計の数字をみてもわかりますが、非正規社員は東京圏で取りつくしてしまっており、どんどん減っている傾向にあるので、競合にはなりえないと思っています。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
弊社は出資も入っていますので、少なくても国内での上場を目指しています。現在のところは順調ですので、そこはできるのではないかなという感覚です。 また、現在国内での労働市場は300兆規模、派遣市場で10兆、BPOでも7000億がある超巨大市場です。そこが今、人材が減ることで自壊していっていますが、生産性は減るわけではないので、そこに対する商機はまだあると思っています。そこでプラスαとして「新しい働き方」という点で日本最大の会社になろうと思っています。その後自然のなりゆきで、韓国・中国・インド等、今後少子高齢化等の問題が迫り、日本と同様の問題を抱えていく地域にゆっくりとアプローチしていければなと思っています。
-過去に投資は受けていますか?また今後、どのような投資家・企業と繋がりたいですか?
現在までに2回ほどベンチャーキャピタルから合計1億5000万円資金調達をしており、順調にいけば今年度、来年度と進めていく予定です。
-一日のスケジュールを教えてください。
規定では10時出社となっておりますが、弊社はかなり自由なので各自事務所に来る日があったり、在宅があったり、特にスケジュールは決まっていません。 私は意識低い系ですので(笑)、朝のジョギングやジム等の日課もありません。どちらかというと自由を重んじて、なるべくスケジュールはあけるようにしています。
-良く使用するアプリを教えてください。
アプリはやっぱりチャットワークですね。社内外問わず、使っています。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
オンライン上です(笑)。いろいろなとこに出向きますが、同じところに何度も行くのがあまり好きではないので、「行きたいリスト」はありますが1度行ったら、だいたい終わりです。
-影響を受けた人を教えてください。
特にいないですね。もちろん家族、例えば父の影響はあると思います。大阪で医師をしていた父は私が18歳の時に亡くなりましたが、その後いろいろな話を聞くと「自分で人生を切り開いていく」ということは大事だなということを感じさせてくれました。
Casterが提供するサービスはいわゆる「派遣」ではなく、スキルが高く、各分野の経験がある「優秀な人材」を既存の労働規定にとらわれることなく、最大限にかつ効率的に行かせるということが最大の特長であろう。だからこそ、細かい要望にまで対応可能であり、働きたいと思っていても実際には正規社員としては難しい状況にある隠れた人材にも自分のペースで「新しい働き方」を提供できる。 これからもリモートワークの先駆者として巨大なBPO市場の先頭を走り、問題提起から対応が遅い日本の人材不足問題に「労働革命」を起こして頂きたい。