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登山・アウトドアユーザーにおすすめアプリ!YAMAPとは!?
2009年頃から登山者が増え、2010年に「山ガール」という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされたり、2013年の富士山の世界文化遺産登録など、すっかり趣味としての登山が定着したように感じる。 今回はGPSによる登山者の位置確認はもちろん、登山者への情報提供、登山者同志のコミュニティなども含めた地図アプリ、ウェブサービスを運営し、創業時から数々の賞も受賞している株式会社ヤマップ(YAMAP Inc.)の代表取締役 春山 慶彦さんにお話を伺った。
―YAMAPのサービスについて教えてください。
YAMAPは携帯の電波が届かない山の中でも、スマートフォンで現在地がわかるアプリケーションです。
https://youtu.be/gypO_QTOXO8
現在、日本での遭難事故が過去最悪を記録しているのですが、そういった道迷いや遭難事故を1件でも減らすことができればと思い、YAMAPアプリを開発しました。
山で現在地がわかる安全性
紙の地図として持ち運べる快適さ
情報共有し合える山のSNS機能
この3つがYAMAPの大きな特徴です。
―現在の、YAMAPの収益モデルについて教えてください。
ユーザー向けには「サービスが先、利益は後」のスタンスをとっています。なので、今はまだユーザー規模を大きくし、ユーザー満足度を高めることを優先しています。
一方、登山・アウトドアユーザーにリーチしたい企業様向けには、商品販促のお手伝い、タイアップ広告等で収益を上げています。
他には、自治体向けに防災マップや観光マップを製作・配信しています。
-起業のきっかけを教えてください。
スマホの可能性に衝撃を受け、起業しました。
私が思うスマホの凄さは3つあります。
一つは通信機器と位置情報が結びついたこと。 スマホのおかげで、リアルとネットが好循環する時代がやって来たと感じています。
二つ目は、スマホが世界共通のデバイスであること。 スマホを通して世界中の人が通信でつながるようになったというだけではなくて、ソフトコンテンツを言語を変えるだけで世界中の人に届けられるようになった。これは非常に画期的なことです。
三つ目はスマホの“オフ”ライン利用の可能性。 現在、スマホをオンラインでどう活用するかというサービスは、ある程度飽和状態にあると感じています。ですが、オフラインでどう活用するかに関しては、まだまだ開拓の余地がある。山や海外では電波が入らないところがまだ多い。であれば、オフラインでスマホをどう活用するかという視点に立って、サービス開発をする方がユーザーの役に立つのではないか、というのが着想の根底にありました。
-なぜ登山・アウトドアをビジネスの領域に選んだのですか?
日本を含め、先進国の大きな課題は「自然に触れたり、自然の中で体を動かす機会が激減している」ことだと考えています。
日本においては、農業・漁業・林業等、自然の中で体を動かして生計を立てている第一次産業の割合が、就労人口の中でたった4%、数にして130万人程度しかいません。その内、6割は60代以上の高齢者です。 ということは、見方を変えると日本に暮らすほとんどの人は、自然の中で体を動かすということを日常的にやっていない・・・。
都市化の流れは今後も進んでいくと思うのですが、その反動として、大切な人と大切な時間を自然の中でゆっくりと過ごしたいというニーズも、振り子のように高まってくるだろうと予想しています。その意味で「登山・アウトドア」の可能性は今以上に増すと感じ、ビジネス領域を「登山・アウトドア」に絞りました。
-春山さんのバックグラウンドを教えてください。
出身は福岡県春日市です。
若い頃はスポーツばかりやっていました。登山を始めたのは20歳頃からです。
アラスカで写真を撮っていた星野道夫さんという写真家にとても影響を受けたこともあり、2005年から約2年半ほどアラスカに滞在していました。 2007年にアラスカから戻り、東京にある雑誌の出版部で働き、2010年から福岡で仕事をしています。
-ターゲットは? また競合との差別化について教えてください。
ターゲットは登山・アウトドアユーザーです。なるべく初心者の方たちに使ってほしいと思っているので、機能をたくさん詰め込むより、シンプルな設計、使いやすさを心掛けています。
競合との違いは「①山で現在地がわかる安全性、②紙の地図として持ち運べる快適さ、③情報共有し合える山のSNS機能。」この3つをYAMAPワンストップで提供している点です。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
2013年10月のシード期に、サムライ・インキュベートから出資をして頂きました。2016年1月に、コロプラ、大和企業投資、ドーガン・ベータの3社から、シリーズA規模の資金調達をさせて頂きました。
今後については、事業シナジー高い企業様からの出資・資本提携を進めていきたいと考えています。
-一日のスケジュールを教えてください。
8:30 出社
18:00 帰宅
帰宅後は犬の散歩に行きます。週に一回ヨガ教室に通っています。
-良く使用するアプリを教えてください。
FBメッセンジャーなどのコミュニケーション系アプリでしょうか。社内のコミュニケーションツールとしてはSlackを活用しています。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
やっぱり山ですかね。福岡市近郊だと糸島にある二丈岳によく登っています。
-影響を受けた人物を教えてください。
星野道夫さんとジョゼフ・キャンベルさん(神話学者)です。
地味ですが、両親や家族からの影響も大きいと思います。
春山さんの言うとおり、現代人はなかなか自然に親しむ時間が少なくなってきているが、自然の中で体を動かしたり、自分を見つめなおすという時間を持ちたいという欲求は今後ますます増えるであろう。一方、登山者の増加とともに、遭難事故件数も年々増加しており、気軽に楽しむためには安全への知識や装備などにはまだまだ課題がありそうだ。 YAMAPの普及で、一人でも安全に自然と親しむ人が増え、心身のバランスが健康に保つことができるようになれば、より豊かな日本、世界に近づいていくことができるのではないだろうか。
テクノロジーとスポーツを繋ぐKadho Inc. – President 菅 保人さん
今回は、ロサンゼルスにてUS在住の日系一世で、現在Kadho Inc. のKadho Sports Presidentである菅 保人(Yasuto Suga)さんにお会いし、経歴や、日本とUSの仕事の違い、USスタートアップの状況、今後のテクノロジーなどリラックスした雰囲気の中、たくさんの有用な情報を聞かせて頂きました。
-菅さんについて、また会社のサービスについて教えてください。
菅 保人 です。現在39歳、日本生まれアメリカ育ちです。生後半年位からアメリカで生活していますので、ほとんどアメリカ人みたいなものです。
バックグラウンドとしては、20年くらい前からデザイン、Flashのアニメーションを始め、その後はモーショングラフィックス、アフターテクトレス、3Dのグラフィック系に入っていきました。 その後2008年に日本に移り、従弟2人と一緒に株式会社Ray of Light を設立しました。ウェブサイト、CM、グラフィックアニメーション等を作成し、創業から2年で社員は5人に増え、順調だったのですが、その頃、知人がゲーム会社を始めるので、一緒にやらないかという誘いが来ました。 当時、まだ小さかったモバゲー(DeNA)、グリーが出てきて、これからモバイルゲーム業界が大きく成長していくという時期だったので、そちらにビジネスチャンスを感じ、そこで働くことにしました。
しかしゲーム業界というのは、かなり重労働でした。売れるゲームはすごく売れるのですが、リスクもとても大きいです。実はゲームの作成はとても費用がかかるんですよね。多数のプログラマーも必要ですし、期間も最低でも半年以上はかかります。さらに、ゲーム自体が完成してからも、豊富な広告費がないと売れるのは難しい。加えて、モバイルゲームは、9割の人はお金を使わずにプレイするのが現状です。すなわち2~5%の課金対象の人からたくさんのお金をもらわなければ、利益がでないんですよね。コストが払えない、ということもしばしばあります。 そこで3年くらい在籍後、自分には向いていないと判断し、退職を決めました。
今後をどうするか考えた時に、その時点で約6年、日本に在住し、いい所もたくさん体験しましたが、テクノロジーの古さ、生活や会社内でのルールや、コミュニケーション面等でのスピードの遅さ等に不便も感じてきていたことと、今から日本で新しいことを始めると最低でも5年は日本に残らなければならないということで、アメリカに戻ることを決めました。
その後、1年充電期間を経て、2009年、現在のco-founderである2名に出会いました。ゲーム会社の起業を考えている人だと思って会ったのですが、そうではなく、彼らはPHP(Hypertext Pre-processor)ということでした。日本語で上手く説明できませんが、ニューロサイエンティスト、いわゆる感情やサイコロジーではなく、脳のどの部分が何をするかという、脳の機能についての脳科学の分野です。彼らはニューロサイエンスを利用し、他言語を話すことができる脳をプログラミングするテクノロジーの開発を考えていました。
一般的に子供は、どの国に行っても2年以内でその国の言語を話すと言われています。それはなぜなのか?どうして大人になってから何年勉強しても話せないのか?ということをその2人が脳科学的に調査をしました。その結果「その言語が持つ音」を7歳までに聞いていないから、ということがわかったそうです。 あらゆる言語には、その言語しか持たない音、というのがあるんです。たとえば英語の「V」や「R」が日本語にはないように。このような音が7歳までに脳にインプットされていれば、たとえ大人になってからでも、聞いてない人の10倍速い言語習得が可能だといいます。 すなわち、その能力を維持すれば、他言語の習得が可能になるわけです。
そこで、彼らはそういう物を「おもちゃ化」して子供に遊ばせ、成長してからでも他言語習得可能な脳に変えるというテクノロジーの開発をしていました。
それを聞いてすごく興味を持ったのですが、インタビューの段階で、彼らは現段階では資金不足で、半年後の投資を受けるために、ゲームが作れる人材を探している状況だったようです。 お金がないということで、辞退も考えたのですが、彼らはもう一つ面白い話をしてきました。
「僕らは人間のリアクションタイムを速くできる」というんです。 彼らはアスリートのリアクションタイムを速くできるテクノロジーも持っていたのですが、まだ駆け出しのスタートアップだったこともあり、現在の投資家に言語分野のみという条件で資金を提供してもらっていたので、その分野は棚上げされていたようです。 しかし、そのテクノロジーにとても興味をもった私は、デモを見せてもらいました。ほんの少し見ただけで心奪われてしまい、「このスポーツの分野を私がリーダーとして無料で手伝わせてもらえませんか」と自分からお願いして、そこから9か月無料で働きました。
それが2年半前のことでしたが、そこからどんどんテクノロジーを開発し、人を増やしていきました。現在は言語分野がKadho AIといって、主に中国をターゲットに英語のE-learning のサービスを提供している部門、スポーツ用テクノロジーを提供しているKadho Sportsを僕が担当させてもらっています。
2015年、このスポーツ部門最初の顧客がアメリカの女子バレーボールチームでした。初めは監督がCo-founderに「問題解決のためあなたたちの力を貸してほしいと」アプローチしてきたのがきっかけでした。 それは、例えばこちらが守備の時、相手チームの攻撃するボールがネットのある程度の位置に来るのを確認してから、選手がブロック等の守備に動いているが、これを予測し、もっと速く対応することはできないか、そして、そのスキルは口ではうまく教えることができないので、どうにかできないかという相談でした。 この問題を解決するのは、私達にとっても大きなチャレンジでした。USAのトッププレーヤーにどううまく伝えるか。ボールの位置を見る前に、リアクションをする、ということをテクノロジーを使って教える、というのが課題となりました。 どのスポーツでも、まず相手の動きを見てからリアクションを取る、身体面が大部分だと思っている方も多いでしょうか、実際に試合の場に立つと、予測がとても重要になってきます。目で見たあと、脳でいろいろなことを考え、分析し、次の行動を決定します。その流れをテクノロジーを通じて、効率を高める、トレーニング力を上げる、ということを提供し、結果として去年女子チームは銅メダルを獲得しました。
その他に、昨年からNCWA(大学野球)2チーム、メジャーリーグ1チームに携わっており、今年はNCWAが約6チームとメジャーが数チーム、バレーボールチームが2チーム、秋からはアメリカンフットボールへの介入が始まります。現在は、バスケットボール、サッカーあとはホッケーチームをターゲットに新規開拓している所です。
-新規取引先を探す時に、具体的にどのようなことをしていますか?
新しい顧客を探すのは本当に大変な作業です。もちろん各団体、協会、チームなどに直接コンタクトもしますが、他には知人、関係先、また有償の紹介サービスを使って紹介してもらったりしています。...
家電の常識が変わる!さらに便利な生活へ- Robit -
朝すっきり起きられない。何度もスヌーズしてしまう。一日中体がだるい。・・・多くの人が感じていることであろう。 今回のインタビューは、自動でカーテンを開け、朝日が差し込むことにより体と脳を「起きるモード」にし、快適に目覚めることができる、世界初のカーテン自動開閉機という家電を開発した株式会社Robit(ロビット)の最高製造責任者 平野 龍一氏にお話を伺った。
―Robitの家電製品・サービスについて教えてください。
創業は2014年で、従業員は現在パートも含め現在10名ほどです。
私達のメインプロダクトは、めざましカーテン「mornin’」です。こちらはスマートフォンと連動する、いわゆる「スマート家電」で、カーテンの裏側に隠れるような形で、既存のカーテンレールにワンタッチで取り付けることができます。スマートフォンで起床時刻をセットすると、タイマーが働いて、カーテンが自動で開き、光が差し込むことによって快適に目覚めることができるという、画期的で便利な家電製品です。
「スマホ連動型カーテン自動開閉機」というのが、かつて世の中になかったということ、また3,985円(税込)と、とてもお求め安い価格で「スマート家電」を提供できる、という点が「新しい」と思っています。さらに、乾電池3本で駆動でき、とてもコンパクトなサイズです。
-起業のきっかけを教えてください。
私と代表の高橋は同じ大学の研究室で先輩後輩という関係でして、学生向けの起業家コンテストに一緒に出場したことがきっかけとなりました。そこで優勝したり、優秀な賞を頂いたりしたことが、この起業に結びついています。 その時は、「mornin’」ではなく、高橋がイベントの誘導員をやっていた時に、お客様を誘導する際に正しい情報がうまく伝わってこず、お客様の対応にとても不便を感じていたという経験から「そこをロボットに置き換えられないか」というビジネスアイディアで、コンテストに出場しました。
起業した時の他のメンバーも全員同じ大学の仲間です。もともとは先ほど触れたように、高橋とビジネスコンテストに出たのがきっかけですが、その後仲間を集めて4人で起業に至りました。 ただ、僕も含めて、高橋以外は一度就職しまして、その間に彼が資金調達等の準備をし、約一年後、再度集まって、会社として製品の開発をスタートさせた、という形です。
また、全員が理系出身、かつちょうどよく専門分野が分かれていたことも一因になっています。僕はメカニカルな設計が得意ですが、もう一人は過去にインテルで働いており、半導体や電子の分野が強く、他の一人はアプリのエンジニアとしてミクシィに勤めていて、スマートフォンのアプリに強い。そして代表の高橋は外部との折衝が得意ということで、この4人が集まれば、何でもできるんじゃないか、ということも独立の決め手になりました。
学生時代から、基本的に「身の回りの不便や困難を解消する」ということを主軸に、一貫してやってきまして、起業して最初のプロダクトが「mornin’」です。
-平野さんのバックグラウンドを教えてください。
「ものをつくる」ということは、小さい頃からすごく好きでした。私の父は理系ではありませんでしたが、車いじりや趣味で物を作るのが好きな人でした。あまりおもちゃやゲームを与えてくれませんでしたが、工作道具、例えばラジオペンチなどの工具はいくらでも買ってくれました。そういった中で、自分で何かを作っておもちゃとして遊ぶ、ということが経験として身についており、今考えると計画的に育てられたのかな、と思います(笑)
機械に関しては、大学に入学前より、入ってからの方が興味が高まり、1年中何かを作ったり、サークルに入ってロボコンに参加したりしていましたね。
起業自体は学生時代にしてしまっておりましたが、「いつかはまた皆で集まってやりたいな」という気持ちをずっと持っていましたので、数年後の起業に向けて一度就職し、HONDAでトランスミッションの設計を担当していました。1年位で、高橋が思ったより早い段階で資金調達を決め、呼び戻してくれたので、再度仲間が集まり、起業となりました。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
現在は一般のコンシューマ向けで、20代~30代の働き盛りの方がメインターゲットです。やはり、朝すっきり目覚めたい、というのは、バリバリ働いている一人暮らしの若者が想定されますので、そこが一つのマーケットと考えています。
競合については、まだ誰も参入しておらず、今の所はないと思っています。今後、大手家電メーカー等が同様の製品を出してくる可能性はあるかもしれません。 ただそういった場合、弊社はアプリ経験者や知識が豊富という所と、アプリ専門企業の株式会社イグニスから資本提供して頂いており、相互協力関係もありますので、「アプリ」という点が弊社の強みになってくると思います。 また、組み立ては埼玉県にある工場で行っておりますが、全てMade in Japanであることも特徴の一つです。 後は、スマートフォンと繋がる家電が、まだ少ないこともあり、先駆者でもある弊社には先行の優位性もあるんじゃないかなと感じています。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
今回「mornin’」をローンチして、「目覚めに関するプロダクト」という点で一つ解を出せたのかな、と思っております。今後の展開としては、「目覚め」「睡眠」等の身の回りの不便に再度主軸をおいて、別の発想で解決できるものがないかということを見出して行きたいと思っております。現在、実際に平行していろいろと開発を進めている最中です。
海外マーケットは、いずれしたいという希望はありますが、現段階では難しいので、まずは国内を固め、次のステップとして徐々に広げて行けたらなと思っております。
-一日のスケジュールを教えてください。
9:00 出社
21:00 帰宅
私は設計担当ですので、だいたい9時に出社して、そこから21時くらいまでずっと業務(設計・プロトタイプの作成・テスト 等)をして、帰宅ということが多いです。他の社員は、特にコアタイムは決まってないので、個人の業務に応じて出社する感じですね。
-良く使用するアプリを教えてください。
SmartnewsやNewspicksが多いですね。 社内のコミュニケーションはSlackを使用する頻度が高いです。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
車が好きでドライブが趣味なので、目的地もなくちょっとした田舎道を走りに行ったりするのが好きです。
-影響を受けた人物を教えてください。
何人かいますが、まずは自分が「ものづくり」が好きになったきっかけを与えてくれたという点で家庭、特に父からはとても影響を受けていると感じています。
あとはこちらも「ものづくり」に関してですが、大学に入り、先輩からの影響で、ロボットコンテストにでたり、機械により興味を持ったりしたので、そういう諸先輩方の影響も大きいと思います。
人間の体は太陽の光を浴びると睡眠ホルモンの分泌が抑えられ、自然に起きられるメカニズムになっているという。 「mornin’」は、目覚まし時計の機械的な音で起こされるのではなく、自然の光で気持ちのいい一日をスタートさせてくれ、忙しい現代人に少しの余裕と気持ちの変化を与えてくれる小さな助っ人になるであろう。 今後も理系男子4人の「ものづくりへの思い」「仲間との信頼関係」を結集した独自の技術で、私達の生活の不便を解消するものづくりを続けていって頂きたい。
節水率9割!洗浄力も併せ持つノズル - DG TAKANO -
水不足が世界的に問題になってきているが、現在の日本において、実生活でその深刻さを感じることはほとんどないだろう。 お風呂や洗濯などの生活用水を多少節約したところで、あまり変わらないと思ってしまうのが現状だ。 しかし、世界での水需要は50年前に比べ、およそ3倍になっており、この問題は世界規模で深刻になってきている。 そんな未来を見据えて開発されたという超節水洗浄ノズル「Bubble90」。ここまで数々の賞を取っており、各メディアでも取り上げられているので、目にした方も多いかもしれない。
今回は、株式会社DG TAKANO 代表取締役 高野 雅彰氏にお話を伺った。
―DG TAKANOのサービスについて教えてください。
僕たちは、ものづくりが活発な東大阪市の町工場発ベンチャーという、非常にめずらしい会社です。
50年以上金属加工をしてきた工場の技術を利用し、現在の社会課題を解決する、ところからスタートしました。 実は最初は「ものづくり」ではなく、ITベンチャーとして起業しました。私自身、ITでも、ものづくりでも「新しいものを生み出す」という点では共通していると考えていましたし、会社組織としてというよりも、組織内外の人たちがいろいろな意見やアイディアを出し合う集団を作り上げていきたい、という希望がありましたので「Designers Guild(デザイナーズギルド)」という組織を起ち上げました。
起業当時、一人だけでできる限界がこの節水ノズル「Bubble90」でした。このノズルは最大節水率95%、平均でも8割~9割は節水できるので、実際の流し洗い水の使用量は10%で済むわけです。これを世界中の蛇口につけると、人が使う流し洗い水の使用量は10%に抑えることができるわけです。
開発時からそういうイメージで作成しておりましたので、プロトタイプができてすぐに日本ではなく、ドイツのベルリンの展示会に出展しました。そしたらヨーロッパではすごい評価だったんです。やはり環境先進国ですし、環境に対する意識がとても高いため、すぐに売ってほしいという話もありました。
その後帰国し、日本の「超モノづくり部品大賞」に応募したところ、世界の水不足、水資源の問題に貢献できる可能性があるということで、そこで日本一を頂きました。 しかし、2009年当時、水が豊富にある日本では節水よりも節電が注目されていることもあり、残念ながら民間市場での需要があまりありませんでした。 世界ではニーズがあるのに、日本では全然ニーズがない。だからといって、自分一人の会社で世界販売する企業体力もまだありませんでしたので、厳しい日本の市場の中で、会社として組織化し、それを強くしていくことに大変苦労し、4年程赤字が続きました。
そこでレストランのキッチンで使用してもらおう、ということで外食産業をターゲットに売り込んだところ、これが転換期になりました。キッチンでは水の使用量の他、お湯の使用量も多い。お湯の使用量が下がればガス代も下がる。水道代に加え、ガス代の節約にもなるわけです。 現在の日本の外食産業はとても厳しく、人件費も限界まで下げ、食材の仕入れ値も落としても、だいたい5年で8割~9割の飲食店が倒産し、入れ替わっている状況の中で、この節水でのコスト削減方法はとても受けました。食洗機が導入されているところでも、予洗いの段階で9割の水道代が削減できる、ということでどんなキッチンでも高い効果を発揮し、2014年、一気に広まりました。
そういう経緯で、最初に作った製品がいきなり日本一をとって、一気に脚光を浴び、いろいろな賞も頂いたので、DG TAKANOは「節水ベンチャー」のように思われていますが、実際は「新しいモノを世の中にどんどん生み出す」製品第一号が成功した。という感覚ですので、今後は節水だけに関わらず、違ったジャンルの「新しいもの」を第二弾、第三弾と進めている最中です。
-起業のきっかけを教えてください。
やはり「世の中にない新しいものを生み出す」ということが一番です。できることなら社会にいい影響や大きなインパクトを与えられるもの、「あってもなくてもいい商品」ではなく、人々の生活が豊かになったり、行動が変わるようなものを、今後もここからどんどん生み出して行きたい。と思っています。
-高野さんのバックグラウンドを教えてください。
以前はIT業界で営業を3年間していました。学生の時から、働いても働かなくても給料が変わらないとか、役職のポストに左右されてやりたいこともやれないような日系の企業には全く魅力を感じていませんでした。自分で会社を作れば、会社のルールはもちろん、どんなことをするか、どんな人と仕事をするかを全て自分で決められるわけです。そんな理由で10代の頃から、ずっと社長になりたいと思っていました。これは当時珍しかったようで、周りの友達はみんな大企業に就職をしました。僕一人、起業を念頭に社会経験としてITベンチャーに入り、その後、ITベンチャーを起ち上げた、という経緯があります。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
基本的には飲食店、外食産業がメインです。
競合については、他にも節水業者はあると思いますが、ダントツの性能をだしていますので、節水の性能では競合はありません。あとは他社では通常、毎月課金モデルで数年契約ですが、うちは売り金モデルですのでイニシャルコストは違いますが、年間削減額でみると差は大きくでます。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
「Bubble90」に関しては、水圧、水の質、地域等に関わらずどこでも使えるものにするべく、現在も開発を続けていますし、家庭用への問い合わせ・要望もとても多いので、そちらも考えています。
他にはIT系のシステムを開発中なのと、「Bubble 90」は環境を考えた節水ノズルでしたが、次は健康に関するものを開発中です。
海外からの問い合わせはたくさんありますが、現在シリコンバレーに拠点を置き、海外展開をスタートしたところです。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
今のところ、投資を受ける予定はありません。自己資金からスタートして、一番つらい時期は乗り越えたと思っていますので、今後もこのまま進む予定です。ただこれからどんどん新しいものを生み出して行きますので、子会社化してそれを売却、というようなことはあると思います。
-一日のスケジュールを教えてください。
5:00頃 起床
5:30~6:30 仕事(アイデア出し)
7:00~8:30 ジム
9:00 出社(打ち合わせ・新規事業開発)
18:00~19:00 帰宅
うちの会社は基本的に長時間労働をしないので、遅くても20:00までには社員みんな帰るようにしています。
その後はジムにいったり、会食が入ったりしますが、遅くても1:00前には寝ます。
-良く使用するアプリを教えてください。
OmniFocus(オムニフォーカス)というアプリをおすすめします。個人のタスク管理アプリの中では、一番高くて一番性能がいいものだと思います。 忘れることもなくなりますし、計画的にいろいろできるようになります。 秘書がいなかった当時は、これが随分役に立ちました。 現在も秘書と共有して活用しています。
社内ツールとしてはMoxtra(モクストラ)を使用しています。これを導入してから、社内の効率が劇的にあがりました。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
いろいろ考えたんですけど・・・あまりないんですよね。
一人で焼肉行ったりもしますが・・・敢えていうとマッサージ屋さんかな(笑)
-影響を受けた人物を教えてください。
有名人でいうと、やはりSteve Jobsなんかは「すごいな」と思いますが、同じように仕事をしている身近な人の中にも影響を受けている人はいますね。
毎年1000社以上が倒産・廃業に追い込まれたバブル崩壊時代、自身も東大阪の町工場で育ったという高野氏。幼少からものづくりを肌で感じ、また苦しい時代を目の当たりにしたからこそ生まれたであろう、アイディア、パワー、スピードそして妥協を許さない姿勢を感じた。 世界中の水不足を解決すべく開発された「Bubble90」を筆頭に、今後もどんどんDG TAKANOならではの製品を世に送り出し、日本の「ものづくり」で世界をあっと言わせてほしい。
ファッションサービスの「#CBK」(カブキ)— ニューロープ —
女性なら、ファッション雑誌やお気に入りモデルのSNSを見ながら「こんな服、私もほしいな」「同じようなコーディネートしたいな」と思うことがあるだろう。ニューロープが提供する「#CBK(カブキ)」はそんな希望をすぐに叶えてくれる、新しいファッションメディアだ。
今回は、株式会社ニューロープ 代表取締役CEO 酒井 聡氏にお話しを伺った。
―ニューロープのサービスについて教えてください。
主にファッションサービスの「#CBK(カブキ)」を運営しています。提携している約300名のモデルさんからファッションスナップを提供してもらっていて、ユーザーはおしゃれなスナップや、コーデの解説を読むことができます。気に入ったコーデがあれば、弊社が提携している通販サイトで類似アイテムを購入できます。 現在3つのマーケットモールと提携していて、アイテム総数は25万点以上。売上の一部はモデルさんにも還元しています。
マガジンサイトも運営しています。記事に掲載されているコーデが気に入ったら、同様にそのまま似ているアイテムを購入できます。「リネンシャツはこのアイテムと相性が良いんです!」というような文脈がついていると読者の購入意欲は一層高まるようで、非常に高いCTR(通販サイトへの遷移率)を実現できています。
この成功例を横展開すべく、弊社が所有する「アイテム情報が紐づいているスナップ」を#CBK(カブキ)以外のファッションメディアに提供する取り組みを進めています。#CBK(カブキ)のスナップを記事中に掲載すると、自動でアイテム情報が表示されるため、記事をマネタイズできます。スナップの引用元を探しているメディアさんも多く、順調に各社との提携が進んでいます。
-起業のきっかけを教えてください。
もともと集団行動が苦手だったので、会社勤めは向いていないだろうと思っていました。当時はずっと作家になりたいと考えていて、純文学を読んだり、原稿用紙200-400枚くらいの作品をいくつか書いたりしていました。作家になるには「経験」も大事な要素だと思っていたので、学生の頃はアルバイトを半年ごとに変えて色々な仕事に挑戦したり、サークルも10個くらい掛け持ちしていました。ロサンゼルスに1か月間の短期留学に行ったときも、トランクに本をパンパンに詰めていって100冊読破するという、二兎を追う毎日でした。
そんな中、たまたま手にした『渋谷ではたらく社長の告白』を皮切りに、いわゆる「起業本」にはまってしまい、その影響で初めて「起業」を意識しました。それからは経営周りの勉強をするために中小企業診断士の資格を取ったり、今起業するならITは不可欠だろうと転職したり、行動のベクトルが起業に向き始めました。 直接的な契機はサイバーエージェント社主催のイベントに参加したことです。サイバーエージェントの執行役員の方にメンターになっていただき、アドバイスを受けながらプランを練っていくというもので、最終日にファッション事業のプレゼンをしたところ、出資を検討していただけることになりました。
ファッションを題材にしたのは2013年当時ファッションカテゴリーで強力なプレイヤーがまだいなかったので、ビジネスチャンスを感じたためです。
-酒井さんのバックグラウンドを教えてください。
出身は九州です。中学から私立に進学し、バス通学中にすることがなくて本を読み始め、太宰治や三島由紀夫に出会って衝撃を受けました。自分もこんなすごい作品を生みたいと思って文章を書き始め、ネットのアマチュアの文章投稿サイトに掲載。大人たちから寄せられるガチのダメだしに心を痛めながらも研鑽していました。
大学を卒業する頃は「作家」と「起業」が半々くらいの気持ちでいました。いずれにしても自分の一番苦手分野が営業だと思っていたので、新しい経験が積めること、起業にも役立つことから、マイナビに就職。3年間働きました。 その後、伸びている業界に身をおくべきだと考え、ウェブアプリやスマホアプリの受託開発を手がけているランチェスターに転職。2年ほど経験を積んだところで、起業に至りました。
-ターゲットは? また競合との差別化について教えてください。
主なターゲットは、インターネットで服を購入する層。20代後半から40代前半の「大人の女性」です。いろいろな通販サイトの運用担当の方にお話をうかがっていると大抵「ボリュームゾーンは30代」という回答をいただきます。小さなお子さんがいらっしゃると店舗で買いものをして試着するということが難しくなるため、ネットを使ってみるという方が多いのだろうという仮説を立てています。
若い方にも「一度通販サイトで買ってみると意外と便利なことに気づいて、リピートする」という方が多く、「きっかけ」が大事なのかな、と思っています。
競合の話で言うと、弊社はメディア・サービスとしてというよりは、インフラ・後方支援としていろいろなサービスを後押ししていくような立ち位置を取っていて、現在は実質的に大手1社くらいしかいない状態です。その大手とも提携をしているので、同業他社はすべからく味方であると考えています。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
まずは、提携メディアをどんどん増やしていって、面として露出を増やしていきます。同時並行で、2017年5月に実用化したばかりのファッションスナップを自動で情報化する人工知能を広げていきます。現在大手企業と複数のプロジェクトを進行しています。
特に日本というドメインに縛られない業態なので、海外への展開も考えています。まずはアジア圏から、日本のファッションを各国に発信するというだけではなく、各地のニーズに合うように現地のインフルエンサーを発掘して、水平展開していきたいと思っています。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
先ほど触れた通り、サイバーエージェント社から出資を受けています。 次のラウンドについては、ちょうど今動き出しているところです。事業をきちんと理解してくれる企業・投資家さん、起業家へのリスペクトをお持ちの方とご一緒できたらハッピーですね。
-一日のスケジュールを教えてください。
基本的に月水金はオフィスで、火・木は自宅やカフェで仕事をすることが多いです。
コアタイムは11:00~19:00くらいですが、その前も後も、結局いつも仕事をしてしまっています。
週に2回ほど、昼に40分間ほどのワークアウトを挟みます。
-良く使用するアプリを教えてください。
なかなか本を読む時間が取れないので、最近はAudible(オーディブル)を利用しています。本を音声で聞けるというもので、家事や単純業務をしているときにインプットできるので便利です。同じ理由でテレビ東京の『ビジネスオンデマンド』も愛用しています。『ワールドビジネスサテライト』や『未来世紀ジパング』は情報として良質で、Audibleよりもこちらを聴いている時間の方が長いと思います。
ビジネスツールでは名刺管理のCamCard(カムカード)、チャットアプリではSlack(スラック)を使っています。
ニュースアプリはおなじみのNewsPicks。コメントを付けることを前提でニュースを読むと、インプットの質が変わってきます。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
本日のこのcafé STUDIO(原宿)は打ち合わせ場所として良く利用しています。
作業場所としてはガストやジョナサンなどのファミレスを使い倒しています。糖質制限ランチも充実しているし、電源もドリンクバーもあり、テーブルも広いという理想的な環境です。都内だと大抵の街にあるので、打ち合わせと打ち合わせの間など、東京中の「すかいらーくグループ」のお世話になっています。
-影響を受けた人物を教えてください。
本を通して影響を受けたという点では藤田 晋さん(サイバーエージェント)、見城徹さん(幻冬舎)などたくさんいます。身近なところでいうと、前職の社長であるランチェスターの田代健太郎さんは器が大きい方で、人として尊敬しています。元甲子園球児でバスプロを目指していたという経歴もとても面白く、現在でも交流があります。 あとはイラストレーターとアンティークショップという二足のわらじで自分らしい生き方を追求している母の影響は大きいと思います。母もあまりコミュニケーションが得意なタイプではないのですが、フランスまで仕入れに行って日本で売るということをもう20年以上続けていて、「やってやれないことはない」という意識はそういう姿を見ていて生まれた気がします。
作家を目指し、起業に向けての様々な経験も積んできたというだけあって、文学のみならずアート、IT、経営等、多岐な分野の知識が豊富で、それを伝えるのがとても的確な印象の酒井氏。現在はファッション事業がメインだが、今後、力を入れている人工知能の分野や、サービスの提供、デザイン、執筆等でも活躍し、彼の名前を見ることが多くなるであろう。 サンタモニカのおしゃれスナップなども是非手がけていただきたい。
AI画像解析支援システム開発する東大発のベンチャー ‐ LPixel ‐
今年2月24日に行われた「Tecstars x Hipstarters Pitch Event」に登壇したLPixel(エルピクセル)。
LPixelは2014年3月に東京大学大学院の生命科学の研究者を中心に設立された画像処理・解析ソフトの開発を行うベンチャー企業だ。
今回は代表の島原佑基氏にお話しを伺った。
―LPixelのサービスについて教えてください。
我々は東大発のベンチャーで、コアバリューとしてはライフサイエンス分野-医療、製薬、農業等の画像解析、またそれに関わる業務全般をしており、今は自社開発に注力しています。 主に二つあり、一つは医療分野のCT、MRI、顕微鏡、内視鏡といった画像から医師がどうしてそのように診断したかを、ディープラーニングさせ、いかに他の画像解析技術と組み合わせて精度のよいソフトウェアを作るかという研究・開発。
すなわち医師がいままで診断していたものを診断結果のデータをもとにAIを開発し、そのシステムを使用することにより、見過ごしなくより正確に診断できるという、診断支援システムを開発しています。 やはり人間はどうしてもミスをしてしまいますので、それをなくすというところがコンピュータ化する意義だと思います。
二つ目は、医療だけではなく、ライフサイエンス全般の画像解析ができるプラットフォームです。今までは研究者が撮影し、どんどんたまっていく画像解析は我々の所に依頼が届いていましたが、弊社がもつノウハウをAIにし、知識がなくても画像解析ができるようなシステムを開発しています。
現在のボトルネック(システム設計上の制約の概念)を一気になくすような「簡単・高速・高精度」なシステムを目指しています。
―島原さんのバックグラウンドを教えてください。
私はもともとエンジニアリング系が好きだったので、自動車を作ろうと思っていました。 機械工学系に進むことを考えていた時に、山中伸弥教授のiPS細胞のニュースを見て、これからの時代は機械を作っている場合ではなく、生物を作る時代だな、と感じ、大学から生物を始めました。 そういった意味で理学のサイエンティストというよりは生物のエンジニアリング、「生物×エンジニアリング」という所に興味がありました。
バイオという分野はすごい情報量を扱います。たとえばゲノムにしても遺伝子からタンパク質ができ、タンパク質がいろいろな相互作用をしているとか、脳にしても複雑すぎて再現できない、というくらいですから、膨大なコンピュータの力が必要になります。 ですので「バイオ×IT」という概念から、まず初めに遺伝子の合成生物学、遺伝子を組み合わせて生物を作る、ということをやりました。
ただ、そこで「まだこの分野はもう少し先ではないか」と感じ、生物を作るなら、まずはもう少し実用的なもの、難しいものはないかと考えているところで画像と出会いました。
ゲノムだと「このゲノムだとこの癌です」ということは、まだあまり言えませんが、画像だと身近で、判断もしやすいということもあります。また遺伝子はなかなか目に見えませんが、画像は顕微鏡でみると美しいものがあったりして、とても面白く、そこから細胞内の挙動のモデル化をし、シミュレーションをして顕微鏡で画像を解析するということをしていました。 そこで感じたのは、とてもニーズがあるということでした。
生物分野では実験や研究する方が多く、ITとはなかなか遠いところがありますので、そこの架け橋となる存在はとても重要になるなと。
その段階でも40くらいの共同研究があったので、すぐ会社にすることもできたのですが、学生で起業する前に、まず圧倒的なスピードで社会経験を積んでおかなければいけない、ということと、会社をグローバルにしたかったので、海外経験を積むことも大事だと考えていましたので、ソーシャルゲームのグリーに入社し、経営企画と人事も経験しました。ただそこでは海外経験が積めなかったので、KLabという会社に転職し、海外事業開発等の経験をさせてもらいました。 そこで起業に至るのですが、最初の一年はKLab在籍中に副業として、週末等を利用し、人件費ゼロで、研究室のメンバー3人で始めました。
-なぜ、いつ始めようと思いましたか?
いろいろな積み重ねはあったのですが、まず21世紀は「バイオ×IT」の時代だなと思っていました。そこで新しい仕事なので、新しい会社ができ、それが大きくなっていくのだろうなという認識のなかで「今そういう会社があるかな?」と考えたら、その時点でなかったので、「では自分で作るしかない」と思いで始めました。 大学時代から考えていましたが、実際起業したのは、2年社会経験を積んだあとです。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
ターゲットは病院、製薬企業を含むライフサイエンス全般、あとは大学・研究所等ですね。農業分野については、国から研究費を頂いて、環境ストレスに強い作物をつくるための研究をしています。 それも今までは農家の人が経験や勘に頼っていた部分が多いのですが、画像をとって定量的に解析をしています。
競合については各分野においてはあると思いますが、ただライフサイエンスと画像解析全体としては我々のような強みはとてもユニークだと思います。ニーズが先行しているので、もし競合があれば仕事を分かち合いたいと思っているほどです。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
二つありまして、一つは今力をいれている医療です。なかなかこういった新しい取り組みについては「AI×医療は危険ではないか?」という意見もあると思いますが、実際にAIが自動診断をするわけではなく、診断支援のよきパートナーとなるべきものなので、そのような誤解をしっかり解いていきたいですね。 そして日本の優秀な医師の診断をAIにして全世界に発信し、世界最高精度のソフトウェアを、東南アジアでもアフリカでも、世界で公平にわかちあえる、ということに理解を得て、このようなソフトウェアをきちんと医療機器として承認をとって、グローバルで導入させていきたいです。日本にも良質な画像はたくさんありますので、そういったものを日本の強みとして輸出をしていく、ということをやりたいな、と。そのうち、保険点数がつけば、一気に拡がると思うので、そういうところまでしっかりやっていきたいと考えています。
二つ目はグローバル化を加速させるということ。一つのソリューションとしては、すでにシンガポールにiLPixelというジョイントベンチャーがあるのですが、こちらは研究のインフラです。 実はこの会社を設立するときにちょうどSTAP細胞問題がおきまして、これを何とかしなくてはならない、と。ライフサイエンスと画像解析がわかる我々のような人でなければ、こういう問題を防ぐ活動はできないだろうと思い、画像不正検出するようなシステムを提供しています。 実はこのような問題は世界各国で起こっており、現在でもグローバルから問い合わせ多くがあります。シンガポールを拠点に現在は台湾・韓国等にお客様がおり、今後も徐々にグローバル展開を広めていきたいなと思っています。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
公表しているものでは昨年10月にシリーズAで、(株)ジャフコ、東レエンジニアリング(株)、Mistletoe(株)と、ジョイントベンチャーの提携先から約7億円の調達をしました。
今後の投資につきましては、すぐには必須だとは考えていませんが、今後は資金だけではなく、事業的なシナジーがあるところ、特にグローバル化と医療機器としてしっかりパートナーとして入って頂けるところとは積極的に検討していきたいなと思っています。
―一日のスケジュールを教えてください。
7:00 起床
8:00-10:00 カフェにてインプットと仕事
10:00-12:00 出社、ミーティング等
12:00-13:00 ランチ
13:00-19:00 外出・来客(ミーティング等)
19:00-20:00 夕食
20:00-24:00 オフィスかカフェにて仕事または会食
24:00-25:00 勉強
25:00 就寝
-良く使用するアプリを教えてください。
Evernoteですかね。現在も研究をしているのですが、Evernoteでも記録しているので、これは必須ですね。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
スタバなどのカフェが多いですね。レストランだと・・・ほぼ毎日なか卯かCOCO壱にいます(笑)。
-影響を受けた人物を教えてください。
遠い存在ですが山中伸弥教授です。山中教授のニュースをみていなければ現在は機械のエンジニアになっていたと思います。いつかそういったロールモデルになれたら嬉しいなと思います。
かくいう私も単純に医療にAIって大丈夫なのかな?と思ってしまった一人であった。しかし、島原氏のわかりやすい解説により、LPixelが研究者・医師等の負担を減らす。画像解析でより高精度な診断をする。判断ミスを減らし、早期発見にもつながる。ということが良くわかった。 これから高齢化がどんどん進み、医療機関も新たな対応が迫られるであろう日本においては医療をスピード化・平等化する革新的なサービスとなるであろう。 また、日本の持つ強み(データ量や技術等)もどんどん世界へ発信していってほしい。
リモートワークを当たり前に – Caster –
慢性的な人手不足の問題、また必要とされるスキルの多様化により、各分野のスペシャリストが求められるということもあり、クラウドソーシング等の「新しい働き方」がどんどん加速していっている。しかし、実際にはまだまだ需要と供給が伴っていないように感じる。そんな状況にメスを入れるべく「リモートワークを当たり前に」をミッションに「労働改革」を進めている株式会社キャスターの代表取締役・中川祥太氏にお話しを伺った。
-Casterのサービスについて教えてください。
弊社は2014年9月に創業し、バックオフィス業務をリモートワーカーが請け負う「CasterBiz」、そしてデザイナーとエンジニア等の専門職に特化した「Remote Style」、もう一つは「在宅派遣」という事務員に特化したサービスの3つの事業を展開しています。
「CasterBiz」は優秀なアシスタントに、様々なバックオフィス業務を依頼できるということが特徴です。 9:00~18:00のサービス提供時間内はそのアシスタントがお客様と常時コミュニケーションが取れるよう待機しています。 1ヵ月の利用時間は実働30時間で、たとえば航空券やホテルの予約等を頼みたい時は、そのオーダーに対して業務にかかった時間を30時間から消化する、というシステムです。 コミュニケーションは迅速に、かつタスクに関してはどれだけのボリュームがあってもこなせるようになっています。
現在は収益のほとんどは「CasterBiz」と「Remort Style」で上げており、徐々にサービスを拡大し収益に繋げていっている段階です。
2年目の会社ですが、業務委託者もすべて含めて従業員数は170名ほどです。ご覧の通り渋谷に本社がありますが、従業員すべてがリモート勤務しております。日本国内はもちろんアジア圏、ヨーロッパ圏、時にはアメリカにも従業員がいます。本社には5名くらいですね。
-中川さんのバックグラウンドを教えてください。
大学1年生の時にライブドアマーケティングでアルバイトをしながら、お金をたくさん稼がせて頂き、その後1年半ほど自営業をしたのですが、資金がつきてきたのでオプトという会社に転職し、その後2012年から3年程、イー・ガーディアンで経営事業企画に携わっていました。 BPOの会社だったのですが、そこでBPOセンター設立の業務や、クライアントのオーダーをそのセンターにどれだけ、どういう形で落とし込むか、ということをしていたのですが、そのうちにクラウドソーシング事業の成長、可能性にビジネスチャンスを感じ、起業にいたりました
-起業のきっかけは何ですか。
学生時代は大学入学のために勉強はしてきたのですが、1年生からいろいろな会社で働いたこともあり、あまり「起業する、しない」という概念はもっていないです。お金をもらえる先がお客様なのか会社からなのか、ということですね。
キャスターを起ち上げたときは、ベンチャーバブルという時期も大きかったですし、クラウドソーシングのプレーヤーが雑なところが多かったということもあります。 BPO業界は人手不足を最前線で感じる領域です。その兆候は2014年の段階から強く出ていました。そして兆候がでているにもかかわらず、表面的な対策しかとれていない状況を見て、これは商機になるなと感じていましたので、自分はその分野でスキルセットも持っている、資金もだしてくれる方がいる、というタイミングも重なり、起業に至りました。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
「CasterBiz」に関しては中小企業がターゲットです。中小企業は大企業と違い、バラバラになることもできず、人を雇う方法を考えるか、だめになるかしかない切羽詰まった状況です。ですので中小企業のほうがこのビジネスに関する温度感が高い。そこをターゲットにサービスを提供するというスタンスを取っています。
似たようなサービスもありますが、現在競合となるところは出てきていないと感じています。たとえば秘書代行、経理代行もありますが、実際に中小企業のロットはとても小さいのであまり細分化したサービスだと、彼らの要望を受けきれないんですね。また派遣・パート・アルバイトの分野でも、雇用統計の数字をみてもわかりますが、非正規社員は東京圏で取りつくしてしまっており、どんどん減っている傾向にあるので、競合にはなりえないと思っています。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
弊社は出資も入っていますので、少なくても国内での上場を目指しています。現在のところは順調ですので、そこはできるのではないかなという感覚です。 また、現在国内での労働市場は300兆規模、派遣市場で10兆、BPOでも7000億がある超巨大市場です。そこが今、人材が減ることで自壊していっていますが、生産性は減るわけではないので、そこに対する商機はまだあると思っています。そこでプラスαとして「新しい働き方」という点で日本最大の会社になろうと思っています。その後自然のなりゆきで、韓国・中国・インド等、今後少子高齢化等の問題が迫り、日本と同様の問題を抱えていく地域にゆっくりとアプローチしていければなと思っています。
-過去に投資は受けていますか?また今後、どのような投資家・企業と繋がりたいですか?
現在までに2回ほどベンチャーキャピタルから合計1億5000万円資金調達をしており、順調にいけば今年度、来年度と進めていく予定です。
-一日のスケジュールを教えてください。
規定では10時出社となっておりますが、弊社はかなり自由なので各自事務所に来る日があったり、在宅があったり、特にスケジュールは決まっていません。 私は意識低い系ですので(笑)、朝のジョギングやジム等の日課もありません。どちらかというと自由を重んじて、なるべくスケジュールはあけるようにしています。
-良く使用するアプリを教えてください。
アプリはやっぱりチャットワークですね。社内外問わず、使っています。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
オンライン上です(笑)。いろいろなとこに出向きますが、同じところに何度も行くのがあまり好きではないので、「行きたいリスト」はありますが1度行ったら、だいたい終わりです。
-影響を受けた人を教えてください。
特にいないですね。もちろん家族、例えば父の影響はあると思います。大阪で医師をしていた父は私が18歳の時に亡くなりましたが、その後いろいろな話を聞くと「自分で人生を切り開いていく」ということは大事だなということを感じさせてくれました。
Casterが提供するサービスはいわゆる「派遣」ではなく、スキルが高く、各分野の経験がある「優秀な人材」を既存の労働規定にとらわれることなく、最大限にかつ効率的に行かせるということが最大の特長であろう。だからこそ、細かい要望にまで対応可能であり、働きたいと思っていても実際には正規社員としては難しい状況にある隠れた人材にも自分のペースで「新しい働き方」を提供できる。 これからもリモートワークの先駆者として巨大なBPO市場の先頭を走り、問題提起から対応が遅い日本の人材不足問題に「労働革命」を起こして頂きたい。
元保育士が発信する子ども・保育士双方にやさしい「あそびプラットフォーム」 ‐KidsColor‐
保育園おちた日本死ね」という過激なブログが大きなニュースになったのも記憶に新しいが、昨今の待機児童、保育士不足の問題は働く母親には本当に深刻な問題である。Hipstartersでも保育関係の記事をいくつか掲載しているが、今回は元保育士をしており、現在はワーキングママとして働く雨宮みなみさんが実際の現場での体験や、自身の子育てを元に保育士、お母さん達を「あそび」を通じてサポートする「KidsColor(キッズカラー)」を取材した。
―「KidsColor」のサービスについて教えてください。
キッズカラーの軸になっているのは「ほいくる(HoiClue♪)」というサービスです。こちらはウェブサイトとアプリの2つのサイトがあり、子どもと楽しめる「遊びのレシピ」を提供しています。アプリに関しては、実際に子どもと楽しんだ遊びの様子をアルバムとして保存したり、他の人と共有することができます。ウェブサイトの情報をアプリでみることもできますし、逆にアプリで投稿したものを一部ウェブサイト上で閲覧することも可能で、この二つを通して「保育」と「遊び」のプラットフォームを作る、ということをメインとしてやっています。現在ウェブサイトは約60万人/月以上の方が見てくださっています。
他に「コドモガラクタラボ」という遊びの場の提供もしています。元々は、ほいくるで掲載している遊びの内容が、大人よがりの遊びにならないように、月2回このオフィスを使用し、私たち自身が子どもの遊び世界の触れ、学びや発見を得る場としてスタートしました。テーマを決め、牛乳パックや空き箱など身近な廃材を使ったりしながら、子どもが自由に遊べる場として運営しています。土曜日の10時から15時までの間、出入り自由、無料で開放し、家ではなかなかできない遊びも保護者と一緒に楽しんで頂いています。
親子で来て、大人の方が夢中になってしまうということもよくあるんですよ。
あそびを通して、子どもの頃を思い出したり、少しでも親子の時間が広がるきっかけになっていれたらという想いもあります。
もう一つ「ままくる」というものがあります。すべて「ほいくる」に紐づいているのですが、コンテンツ制作の一環として潜在保育士と呼ばれる、資格を持っているが現場では働いていない方や、子育て中のお母さんが、自分のアイディアや子どもとの遊びの様子をライターとして記事にし、原稿料として付与されるポイントをもとに本やおもちゃと交換できるシステムです。 子育てに少し余裕が出てきたお母さんが、空いた時間で自分と子どもとの遊びのアイディアや写真を執筆し、ちょっとしたお小遣いを子どものために使える、というイメージです。同時に、先輩保育士の経験を次世代の保育士に繋げることも、一つの目的としています。
―雨宮さんのバックグラウンド、また起業のきっかけを教えてください。
もともと保育士になるのが夢で、憧れの職につき6年間保育士として働きました。いくつかの職場を経験したのですが、そこでそれぞれの園によって考え方が全然違うということに気づきました。「保育とはこのようなもの」という概念で違う園に行くと「こちらではこれもいいの!?」という違いがたくさんあり、衝撃を受けたこともありました。私はたまたまいろいろな考え方に触れることができましたが、一か所の園で自分と合わなくてやめてしまう保育士さんもいるので、それはとてももったいないと感じたことがきっかけの一つです。 もう一つは保育士の業務がとても忙しくて、余裕がないということ。もちろん他の業種でも仕事は多忙で責任が伴うものですが、人生で大事な乳幼児期にずっと一緒に時間をすごす責任はとても重いのに、環境があまり良くないということに疑問をもちました。
また「子育て支援」はたくさんあるのですが「保育士支援」というものはほとんどありません。でも保育士がいなくなると子育てが成り立たなくなりますよね。保育士が子どもに与える影響は多大ですが、その保育士が疲れた顔で子どもに接するわけにはいきませんし、自分も日々保育士として働きながら、その点についてどうにかならないかと悶々としていました。
そういったことも踏まえ、現場の負担や不安や不満を何か楽しさなどプラスに繋げられることはないか考えているうちに、起業の前に「ほいくる」のアイディアが生まれました。担任として丸1年子ども達を受け持つ時に、経験のある先生と新しい先生が見るのではやはり違いが出てきますが、経験はすぐに身につくものではありません。では、どこで先生達がスキルアップするかというと、外部のセミナーに行ったり、数少ない保育関係の本を読むくらいしか、インプットの方法はありませんでした。情報収集ですら負担が多い時、疲れた帰り道にぱっと携帯を見ると、「これは子どもが喜ぶだろうな」と思わず子どもの姿を想い浮かべてニヤニヤしてしまうような情報源、そういうものがあれば、インプットをすると同時にもともと保育士の根底にあるモチベーションが引き出せ、どんなに忙しくても子どもの姿をおざなりにせずまた頑張るぞという気持ちになるのではないかと思いました。 「保育支援」というような大きなものではなく、「あそび」という正解のない、みんなにフラットなものでソフト面の支援をするのであれば、現場経験がまだ少ない私でも可能ではないか、と思ったのが「ほいくる」のスタートです。 「ほいくる」を運営していくにあたり、今後どうするか、また保育士との両立ができるかと考えているときに、受け持っていた生徒が卒園することと結婚のタイミングも重なって、本格的に起業を決心しました。ただ、子どもと関わっている時間が全くなくなるというのは自分にもサイト運営にもまだ心残りがあったので、1年目はパートで保育士を続けながらのサイト運営、2年目からはこの仕事だけにして現在に至ります。
-既存の企業、競合との差別化についてはどのようにお考えですか。またターゲットは?
現在保育業界は、ウェブメディア、人材・求人、業務の効率化する為の管理システム、保育園運営等たくさんの企業が参入してきています。ほいくるのようなメディアも、少しずつ増えています。
キッズカラーの強みはコンテンツの数と質、それから「現場視点」という所にあります。さらに、発信するだけではなく、アプリを通して実際の保育士も巻き込みながら作っていく、というところが差別化につながってくるのではないかと思っています。 また、ただの便利なサイトだけにはしたくない、という意識は常に持っていて、便利であることはもちろん大切ですが、その先に子どもの姿があるかということが大きな軸となっています。保育士だけが便利でも、子どもにつながらなければ意味がないので、そこは今後も大事にしていきたい所です。 子どもの姿に繋げるという点で、保育士の負担、不満、不安を、意欲、自信、楽しさに変えていける、という所も特色の一つだと思っています。
現在6割のユーザーが保育士で、他にも幼稚園の先生、ベビーシッター、学童の先生、子育て中のお母さん、あとは保育士を目指している学生にも広がってきていますので、その層をターゲットとしていますが、今後さらに、子どもに関わる人へと広げていく予定でいます。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
今は保育がサイトスタートのはじめの1歩になっていますが、「遊び」というものは答えがないので、保育に限らず子育てや地域、社会にもっともっと広げて行けるものであろうと思っています。 今後は地域特有の遊び(例えば本格的な雪遊びなど)を強化していくことから、「世界ではどんな遊びをしているのだろう」というように世界に視点を広げ、どんどん遊びの幅を拡大していき、遊びの価値をより広く共有できるサービスにしていきたいと思っています。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
これまでに数社から出資いただいています。
最初の出資をきっかけに、委托業務をやめて、ほいくるサイトの運営一本に集中しました。
当時、ほいくるは月額課金で運営しており、サイトも伸びてはきていたのですが、「課金」という所で、本当に使いたい人が使えないのではないか、自己満足になってしまうのではないか、ということがずっと頭にありました。 出資を機に無料化の方向へ舵をとり、まずは保育と遊びのプラットフォームを作ることに専念してきました。
価値をきちんと対価に変え、事業としてきちんと収益化して行くということを前提に、今後の資金調達を計画しています。
保育業界は少し特殊な部分もあるので、そこを理解し、実現したいビジョンに共感していただきながら、一緒に大きくして行ける企業や投資家と繋がっていけたらなと思います。
―一日のスケジュールを教えてください。
5:00 起床
7:30 子どもを保育園に送り、通勤(約1時間)
8:45-17:00 出社、ミーティング、外出等
17:00 保育園に迎えにいくため業務終了。お迎えがない日は、終電近くまで通常業務や会食等。
18:00 お迎え後、帰宅。食事等、家事。
21時頃、子どもを寝かしつけた後で家事、仕事。 寝る時間は決まっていませんが、大体1時〜2時など。 でも、子どもを寝かしつけたまま自分も寝てしまいあたふたすることもよくあります…。
-良く使用するアプリを教えてください。
「みてね」というmixiが出している写真アプリです。子どもの写真を簡単にアップし、祖父母、親戚、友達等と共有できるアプリで、妊娠中からずっと愛用しています。 記録として残しておける他、コメント機能もあり、遠方のおじいちゃんおばあちゃんとのコミュニケーションにも役立っています。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
最近あまり行けないのですが、天王洲アイルのBread Worksが大好きで、東京に住んでいたときは良く自転車で行って、運河を前に仕事に没頭いました。
-影響を受けた人物を教えてください。
いろいろ考えたんですが・・・宮崎駿さんです。小さい頃からジブリがすごく好きで、子どもながらに理屈ではなく、感じるもの、通じるものがありました。時を経て、自分が思春期や、大人になってから見ても、その時々で感じ方が全然違っていて、いつも新しい発見があります。 画像はもちろん、人間関係、家族の在り方、環境等、ファンタジーでありながら、現在の問題や人間の信頼関係を描いていて、後々考えさせられる深い部分がたくさんあるという点で、小さい頃から大きな影響を受けた人の一人です。
今後も高齢化社会が急速に進む日本において、保育園騒音問題など、様々な保育の問題が国会でも取り上げられている中で、「子どもが育てやすい環境」を作るのは困難になってきているように感じる。雨宮さんの話を聞いて、これからこの国を背負って行くのは現在の子ども達であり、子供達が笑顔で育つためには、笑顔の保育士も必要であることの重要性を改めて感じた。ネガティブな話題ばかりが取り上げられるが、「遊び」という大人も子どもも楽しめるコンテンツを通じて、保育士そして子育てを支援するという「KidsColor」が、地道に長く根付いて行き、保育業界を明るく変える手段の一つになるのではないだろうか。
テクノロジーとスポーツを繋げるKadho Inc. の記事はこちらから!
テクノロジーの力で家族コミュニケーションを豊かに – Unifa –
今年2月24日に行われた「Teckstars x Hipstarters Pitch Event」に登壇し、その後、3月24日にアメリカ・サンフランシスコで開催された「Startup World cup 2017」に日本代表として出場し、見事優勝を手にした「Unifa(ユニファ株式会社)」。 Unifaは『Unify(一つにする)+Family(家族)』の造語で、その名の通り「家族コミュニケーション」を豊かにするプラットフォームの創造に取り組んでいる。今回は東京オフィスの事業管理部部長 森田修平氏にお話しを伺った。
-Unifaのサービスについて教えてください。
我々は「保育業界」に着目して、保育士と保護者双方に価値をお届けするサービスを提供していきたいと考えております。 昨今の日本の保育業界においては、保育士さんが保育園に就職してもすぐに辞めてしまうという事態が頻発しており、慢性的な人手不足が問題になっています。 一方、家族・子供に焦点を当ててみると「子供の孤立化」が発生しています。というのは、共働き世帯が増えていることで、子供一人当たりにかける時間が減ってきているためです。 その中で、両者の課題解決のために、インターネット写真動画サービス「るくみーフォト」と園内見守り業務のデジタル化支援、すなわち園内のアナログ文化をデジタル化していくことで、「保育士の業務効率化」を支援するサービスを提供しています。 サービスコンセプトとしては、テクノロジーの力で園内業務をサポートし、かつコミュニケーションを豊かにしようというBtoBtoCのビジネスモデルになります。
現在、保育園の大半では依然として、撮影した写真を「壁張り」形式で保護者の方に提供しています。 ただこの壁張りは、保育士にとってとても大変な作業です。デジタルカメラで撮影したデータをPCに取り込み、クラスや子供毎に仕分けを行い、さらに現像手配等も必要になります。 そこで我々は、タブレットで撮った写真が3秒後にはアップロードされるという形で、写真業務を効率化するサービスを提供しています。当社サービスの特徴は、撮影を除けばほぼ全ての写真事務が自動化されるという点にあります。 既存の写真サービスは写真の質に重きを置いており、結婚式などのイベントで派遣されるプロカメラマンにとって受けがいいシステムとなっている一方、私達は「保育業務」に重点をおき、画像認識、撮影アプリの提供、セキュリティの確保等、「保育士が使いやすいサービス」を第一に考えて、サービスを磨いてきました。 保育園側のメリットとしては、写真事務が楽になる他、保護者に対して園内の可視化ができる、またこのサービスを通じ、園にお金が一部入る仕組みとなっています。 また、保護者側も園内写真を通して、家では見ることができない子供の様子を知ることができ、それを通じて家族内のコミュニケーションがより豊かになると思っています。 現在こちらのサービスは、約1,300ヶ所以上の施設にご利用いただいています。
園内写真事務を含め、保育園業界ではアナログ文化が根付いています。例えば園児の一人ずつの体温計測、午睡時間等をノートに記入する。また保護者との連絡帳を書く等、膨大な作業があります。そのような業務をデジタル化にシフトしていくことで、保育士の業務効率化を支援していきたいと考えています。
-起業のきっかけを教えてください。
弊社代表の土岐は、もともと住友商事から外資系コンサルティング会社のローランドベルガー、その後デロイトトーマツコンサルティングを経て起業に至りました。 外資系コンサルティング会社では多忙のため、帰宅が朝方になることも多々あり、家族との時間が取れずにいることに問題を感じていました。 そこで自分の経験を踏まえて、「家族の幸せになるようなサービスを提供したい」ということをテーマに起業を決意したという経緯があります。
私はそのデロイトで一緒のプロジェクトを担当していた時期があり、代表の人柄そしてサービスのコンセプトに共感し、会社設立から約2年後にジョインしました。
―既存のサービス、また競合との差別化のポイントは何ですか。
一つはビジネスモデルだと考えています。 一般的なサービスはBtoBあるいはBtoCの形式が多いと思いますが、我々は主に保護者に課金することで、保育園には廉価でサービスを提供する仕組みを採用しており、これによりまずは保育園・保育士を支援し、そして最終的にエンドユーザーである保護者にも喜んでもらえる、というBtoBtoCのサービスができるということが強みです。
また、ソフトウェアサービスだけではない、ということも特徴です。 最近は保育園向けのソフトウェアサービスが増えていますが、保育園は非常に特殊な業界であるため、現在の状況からすぐにデジタル化に移行するのは少し時間を要すると思います。 そこでその間にIOT、すなわちハードウェアベースでのサービスを介することで、よりソフトウェアサービスに親近感を持って貰うことができると考えています。...
日本代表が世界大会で優勝!「Startup World cup 2017」でUnifa が快挙!
去る2月24日に行われたHIPSTARTERS主催の第一回目のイベント「Teckstars x HIPSTARTERS Pitch Event Vol.1」に登壇したUnifa株式会社・代表 土岐泰之氏が、3月24日にアメリカ・サンフランシスコで開催された「Startup World cup 2017」に日本代表として出場し、見事、優勝賞金100万ドル(約1億円)を手にしました!
HIPSTARTERSでのイベントでは、Techstars社・中島洋平氏の前で英語ピッチを披露し、その後も中島氏から個別に米国でピッチする際のポイントやアドバイスをもらってから挑んだ「Startup World cup」だっただけに、この素晴らしいニュースを聞いた時は、私達も驚きと同時に自分達のことのように感激しました。
ユニファ代表・土岐泰之氏からのコメント:
「改めて先日のイベント、感謝致します。Hipstartersのイベントで初めて英語でプレゼンを行ったので、非常に良い機会を頂戴したと思います。特に、キーになる数値の説明やキーワードをオーディエンスに理解させる話し方の部分が大変勉強になりました。」
さて4月18日(火)は「Teckstars x HIPSTARTERS Event Vol.2」が開催されます!
今回は「世界的にネットワークを持つTechstarsが教える! アメリカのVCが求めるピッチの方法」と題し、前回のイベントで審査員・アドバイザーとして参加頂いたTechstars社・中島洋平氏が英語ピッチのポイントやコツを伝授します。
英語ピッチをブラッシュアップしたい、海外への一歩を踏み出したい、いつか起業したい、ネットワーキングしたいという皆様に必見のイベントです。
第2のUnifaをめざし、是非ご参加ください!
詳細、申込みはこちらのリンクから
↓
http://peatix.com/event/251874/view
※ユニファのインタビューおよびピッチイベント参加企業のインタビューは次回から順に掲載予定です。