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ローカルマーケットにマッチした翻訳で成長を続ける ―Supertext―
ローカルマーケットにマッチした翻訳で成長を続ける
―Supertext―
近年、企業の海外進出は当然のごとく行われるようになっています。そこで必要になってくるのが、現地の言語への翻訳です。しかしビジネスを成功させるためには、ただ言語を翻訳するだけでなく、ローカルのマーケットに合わせた翻訳が不可欠です。
今回は、海外進出を目指す企業を翻訳でサポートし、自身もアメリカ進出のためにシリコンビーチにやってきたSuperText USAのCEOクリスティー・サカイ氏に話をお伺いしました。
まず、サカイさんはどのようなバックグラウンドをお持ちですか?
ー私は日本で生まれて、2歳の時にアメリカに引っ越して来ました。その後、7年経ってから日本に3年間戻り家族とイギリスに引っ越しました。学生生活はだいたいイギリスで過ごしました。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒業後は、様々な理由がありベルリンに引っ越しました。一つ目の理由は、当時ベルリンに住んでいたドイツ人と出会ったことです。彼は現在の旦那です。2つ目の理由は、ロンドンで働きたくなかったことです。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでは、卒業後に金融かコンサルティングか政治に進むのですが、それがイヤででベルリンに引っ越しました。
この業界に入ったきっかけは、音楽会社の翻訳をしていて、ベルリンでフリーランスを続けていた後に、翻訳とグラフィックス会社のAdaptに入社しました。Adaptは国際的なキャンペーンをやるので、マーケティングやクリエイティブな会社と一緒に仕事をしています。そこでコピーライティングと翻訳、そして業界について学びました。
5年間Adaptにいたあと、チューリッヒに引っ越し、そこでAdaptと似ている役割を担うSupertextで仕事をはじめました。その時点ではSupertextは始まったばかりだったので、従業員は7人ほどでした。私は英語部門担当でしたが、英語部門がまだなかったため、新しく創設されました。色々と変化し大きくなって成長していくことが楽しかったです。
サービスの内容について色々教えていただけますか?
−Supertextはコピーライティングと翻訳の会社です。2005年にコピーライティング会社として始まりました。自社webサイトに文書をアップして依頼し、webサイトから完成した文書が届く。その技術は結構簡単だったんです。その後様々な理由からサービスが翻訳にも拡大しました。
中でも一番大きな理由は、スイスには公用語が4つあることです。ドイツ語のテキストが、フランス語とイタリア語と英語でも必要なのは明らかでした。そこから翻訳のビジネスが拡大し、今はビジネスの6、7割を占めていて、残りの3割はコピーコピーライティングと添削です。
私たちの翻訳サービスは、クリエイティブな翻訳が多いのでユニークだと思います。添削またはコピーライティングの経験がある、厳選されたクリエイティブなライターが多いのが特徴です。そのため、ローカルのマーケットに向けた翻訳ができるんだと思います。Supertextが言語の業界で特別な理由は、これだと思います。
会社全体は何名いらっしゃいますか?
-全体はチューリッヒとベルリンを加えると50何人です。でそれぞれの支社に5人ずつですね。
シリコンビーチ支社での役割分担はどんな感じなんですか?
-私がCEOで基本的にオペレーションを担当しています。レナルドは事業発展の担当をしていて、今はSupertextという会社の名前を広めるためにブランディングやマーケティングを主に行っています。キーナンは営業部長です。彼は言語サービス業界で営業部長として5年ぐらい経験があったので、彼のポジションを最初に決めました。ジューリアは、プロジェクトマネージャーです。彼女は私たちに依頼されているプロジェクトを担当しています。そしてニカはマーケティングとセールスのアシスタントです。サイロは経歴を積むために来て手伝ってくれています。
ビジネスを拡大させるためにサンタモニカにきて、どのような苦労がありましたか?
-言語の業界は非常に大きく、とてもタフな業界なので覚悟して来ました。目には見えないが非常に大きなマーケットを、数人が支配している業界です。さらに、技術が発展し機械の翻訳もたくさんあることも、チャレンジのひとつです。
すごくタフだと分かっていたので、今の所はいい感じだと思います。ミーティングを設定し、色々な人と話すのが難しいのですが、今のところは名前を広めるためにマーケティングをしています。ヨーロッパ、特にスイスでマーケティングをやっている方の間では、Supertextが認知されているので、アメリカでもそのような感じになりたいです。
また時期や販売サイクルを予想するのが難しく、思っていたよりは時間はかかりましたが、たくさんレスポンスをいただいていて勢い付いていると思います。アメリカ進出してから6ヶ月くらい経てば、どのようなチャレンジがあったか判断できますが、私たちは難しいと覚悟していたのでチャレンジは想定内のものでした。
シリコンビーチでは結構ビジネスディベロプメントも含めたネットワーキングははどのような感じですか?
-私たちはスタートアップで職業柄テクノロジーが必要なので、スタートアップの中心にいたかったのです。ネットワーキングの面では、毎日どこかしらでイベントが行われ、だいたいは若い人がネットワーキングをして次の職を探しています。指導者になったりビジネスのアイデアをシェアしたい人がたくさんいるので、人脈形成とシステムを知るために最初はこのようなイベントにたくさん行きました
ミキサーというバーで話すイベントもたくさんありますが、教育的なネットワーキングイベントもたくさんあります。ここではGeneral Assemblyというところが、大きな会社の偉い方に質問できるイベントを開催しているので面白いです。女性とIT業界のイベントに何個か出席しています。IT業界に入ろうとしている女性や、もうすでにIT業界にいて次の時代の女性を助けたい女性の方もいらっしゃいます。トークやワークショップやネットワーキングイベントをたくさん開催しています。
なぜシリコンビーチなのですか?
-ヨーロッパからアメリカに進出する場合、ニューヨークかサンフランシスコが最初に頭に浮かぶと思いますが、ニューヨークはヨーロッパに似ていると思いました。そして、私たちのビジネスはオンラインなので、西海岸にいると24時間の時差を駆使できると思いました。なので、ほぼ24時間営業を提供できたことがひとつの理由でした。そして、サンフランシスコはもうすでにいろんな会社がいます。なので、シリコンビーチは直感でしっくりきました。
グローバル化や技術が進んでいく中、世界中の翻訳やコピーライティングの業界の雰囲気がだいぶ変わってきています。クリスティー・サカイ氏を筆頭にSupertextもアメリカの翻訳とコピーライティング業界に踏み入れようとしている姿がわかります。Supertextがシリコンビーチにどうやって馴染んでいくのかも注目するべきポイントです。
※この記事は昨年6月にインタビューをさせていただいた内容をもとに作成されています。