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ローカルマーケットにマッチした翻訳で成長を続ける ―Supertext―
ローカルマーケットにマッチした翻訳で成長を続ける
―Supertext―
近年、企業の海外進出は当然のごとく行われるようになっています。そこで必要になってくるのが、現地の言語への翻訳です。しかしビジネスを成功させるためには、ただ言語を翻訳するだけでなく、ローカルのマーケットに合わせた翻訳が不可欠です。
今回は、海外進出を目指す企業を翻訳でサポートし、自身もアメリカ進出のためにシリコンビーチにやってきたSuperText USAのCEOクリスティー・サカイ氏に話をお伺いしました。
まず、サカイさんはどのようなバックグラウンドをお持ちですか?
ー私は日本で生まれて、2歳の時にアメリカに引っ越して来ました。その後、7年経ってから日本に3年間戻り家族とイギリスに引っ越しました。学生生活はだいたいイギリスで過ごしました。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒業後は、様々な理由がありベルリンに引っ越しました。一つ目の理由は、当時ベルリンに住んでいたドイツ人と出会ったことです。彼は現在の旦那です。2つ目の理由は、ロンドンで働きたくなかったことです。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでは、卒業後に金融かコンサルティングか政治に進むのですが、それがイヤででベルリンに引っ越しました。
この業界に入ったきっかけは、音楽会社の翻訳をしていて、ベルリンでフリーランスを続けていた後に、翻訳とグラフィックス会社のAdaptに入社しました。Adaptは国際的なキャンペーンをやるので、マーケティングやクリエイティブな会社と一緒に仕事をしています。そこでコピーライティングと翻訳、そして業界について学びました。
5年間Adaptにいたあと、チューリッヒに引っ越し、そこでAdaptと似ている役割を担うSupertextで仕事をはじめました。その時点ではSupertextは始まったばかりだったので、従業員は7人ほどでした。私は英語部門担当でしたが、英語部門がまだなかったため、新しく創設されました。色々と変化し大きくなって成長していくことが楽しかったです。
サービスの内容について色々教えていただけますか?
−Supertextはコピーライティングと翻訳の会社です。2005年にコピーライティング会社として始まりました。自社webサイトに文書をアップして依頼し、webサイトから完成した文書が届く。その技術は結構簡単だったんです。その後様々な理由からサービスが翻訳にも拡大しました。
中でも一番大きな理由は、スイスには公用語が4つあることです。ドイツ語のテキストが、フランス語とイタリア語と英語でも必要なのは明らかでした。そこから翻訳のビジネスが拡大し、今はビジネスの6、7割を占めていて、残りの3割はコピーコピーライティングと添削です。
私たちの翻訳サービスは、クリエイティブな翻訳が多いのでユニークだと思います。添削またはコピーライティングの経験がある、厳選されたクリエイティブなライターが多いのが特徴です。そのため、ローカルのマーケットに向けた翻訳ができるんだと思います。Supertextが言語の業界で特別な理由は、これだと思います。
会社全体は何名いらっしゃいますか?
-全体はチューリッヒとベルリンを加えると50何人です。でそれぞれの支社に5人ずつですね。
シリコンビーチ支社での役割分担はどんな感じなんですか?
-私がCEOで基本的にオペレーションを担当しています。レナルドは事業発展の担当をしていて、今はSupertextという会社の名前を広めるためにブランディングやマーケティングを主に行っています。キーナンは営業部長です。彼は言語サービス業界で営業部長として5年ぐらい経験があったので、彼のポジションを最初に決めました。ジューリアは、プロジェクトマネージャーです。彼女は私たちに依頼されているプロジェクトを担当しています。そしてニカはマーケティングとセールスのアシスタントです。サイロは経歴を積むために来て手伝ってくれています。
ビジネスを拡大させるためにサンタモニカにきて、どのような苦労がありましたか?
-言語の業界は非常に大きく、とてもタフな業界なので覚悟して来ました。目には見えないが非常に大きなマーケットを、数人が支配している業界です。さらに、技術が発展し機械の翻訳もたくさんあることも、チャレンジのひとつです。
すごくタフだと分かっていたので、今の所はいい感じだと思います。ミーティングを設定し、色々な人と話すのが難しいのですが、今のところは名前を広めるためにマーケティングをしています。ヨーロッパ、特にスイスでマーケティングをやっている方の間では、Supertextが認知されているので、アメリカでもそのような感じになりたいです。
また時期や販売サイクルを予想するのが難しく、思っていたよりは時間はかかりましたが、たくさんレスポンスをいただいていて勢い付いていると思います。アメリカ進出してから6ヶ月くらい経てば、どのようなチャレンジがあったか判断できますが、私たちは難しいと覚悟していたのでチャレンジは想定内のものでした。
シリコンビーチでは結構ビジネスディベロプメントも含めたネットワーキングははどのような感じですか?
-私たちはスタートアップで職業柄テクノロジーが必要なので、スタートアップの中心にいたかったのです。ネットワーキングの面では、毎日どこかしらでイベントが行われ、だいたいは若い人がネットワーキングをして次の職を探しています。指導者になったりビジネスのアイデアをシェアしたい人がたくさんいるので、人脈形成とシステムを知るために最初はこのようなイベントにたくさん行きました
ミキサーというバーで話すイベントもたくさんありますが、教育的なネットワーキングイベントもたくさんあります。ここではGeneral Assemblyというところが、大きな会社の偉い方に質問できるイベントを開催しているので面白いです。女性とIT業界のイベントに何個か出席しています。IT業界に入ろうとしている女性や、もうすでにIT業界にいて次の時代の女性を助けたい女性の方もいらっしゃいます。トークやワークショップやネットワーキングイベントをたくさん開催しています。
なぜシリコンビーチなのですか?
-ヨーロッパからアメリカに進出する場合、ニューヨークかサンフランシスコが最初に頭に浮かぶと思いますが、ニューヨークはヨーロッパに似ていると思いました。そして、私たちのビジネスはオンラインなので、西海岸にいると24時間の時差を駆使できると思いました。なので、ほぼ24時間営業を提供できたことがひとつの理由でした。そして、サンフランシスコはもうすでにいろんな会社がいます。なので、シリコンビーチは直感でしっくりきました。
グローバル化や技術が進んでいく中、世界中の翻訳やコピーライティングの業界の雰囲気がだいぶ変わってきています。クリスティー・サカイ氏を筆頭にSupertextもアメリカの翻訳とコピーライティング業界に踏み入れようとしている姿がわかります。Supertextがシリコンビーチにどうやって馴染んでいくのかも注目するべきポイントです。
※この記事は昨年6月にインタビューをさせていただいた内容をもとに作成されています。
登山・アウトドアユーザーにおすすめアプリ!YAMAPとは!?
2009年頃から登山者が増え、2010年に「山ガール」という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされたり、2013年の富士山の世界文化遺産登録など、すっかり趣味としての登山が定着したように感じる。 今回はGPSによる登山者の位置確認はもちろん、登山者への情報提供、登山者同志のコミュニティなども含めた地図アプリ、ウェブサービスを運営し、創業時から数々の賞も受賞している株式会社ヤマップ(YAMAP Inc.)の代表取締役 春山 慶彦さんにお話を伺った。
―YAMAPのサービスについて教えてください。
YAMAPは携帯の電波が届かない山の中でも、スマートフォンで現在地がわかるアプリケーションです。
https://youtu.be/gypO_QTOXO8
現在、日本での遭難事故が過去最悪を記録しているのですが、そういった道迷いや遭難事故を1件でも減らすことができればと思い、YAMAPアプリを開発しました。
山で現在地がわかる安全性
紙の地図として持ち運べる快適さ
情報共有し合える山のSNS機能
この3つがYAMAPの大きな特徴です。
―現在の、YAMAPの収益モデルについて教えてください。
ユーザー向けには「サービスが先、利益は後」のスタンスをとっています。なので、今はまだユーザー規模を大きくし、ユーザー満足度を高めることを優先しています。
一方、登山・アウトドアユーザーにリーチしたい企業様向けには、商品販促のお手伝い、タイアップ広告等で収益を上げています。
他には、自治体向けに防災マップや観光マップを製作・配信しています。
-起業のきっかけを教えてください。
スマホの可能性に衝撃を受け、起業しました。
私が思うスマホの凄さは3つあります。
一つは通信機器と位置情報が結びついたこと。 スマホのおかげで、リアルとネットが好循環する時代がやって来たと感じています。
二つ目は、スマホが世界共通のデバイスであること。 スマホを通して世界中の人が通信でつながるようになったというだけではなくて、ソフトコンテンツを言語を変えるだけで世界中の人に届けられるようになった。これは非常に画期的なことです。
三つ目はスマホの“オフ”ライン利用の可能性。 現在、スマホをオンラインでどう活用するかというサービスは、ある程度飽和状態にあると感じています。ですが、オフラインでどう活用するかに関しては、まだまだ開拓の余地がある。山や海外では電波が入らないところがまだ多い。であれば、オフラインでスマホをどう活用するかという視点に立って、サービス開発をする方がユーザーの役に立つのではないか、というのが着想の根底にありました。
-なぜ登山・アウトドアをビジネスの領域に選んだのですか?
日本を含め、先進国の大きな課題は「自然に触れたり、自然の中で体を動かす機会が激減している」ことだと考えています。
日本においては、農業・漁業・林業等、自然の中で体を動かして生計を立てている第一次産業の割合が、就労人口の中でたった4%、数にして130万人程度しかいません。その内、6割は60代以上の高齢者です。 ということは、見方を変えると日本に暮らすほとんどの人は、自然の中で体を動かすということを日常的にやっていない・・・。
都市化の流れは今後も進んでいくと思うのですが、その反動として、大切な人と大切な時間を自然の中でゆっくりと過ごしたいというニーズも、振り子のように高まってくるだろうと予想しています。その意味で「登山・アウトドア」の可能性は今以上に増すと感じ、ビジネス領域を「登山・アウトドア」に絞りました。
-春山さんのバックグラウンドを教えてください。
出身は福岡県春日市です。
若い頃はスポーツばかりやっていました。登山を始めたのは20歳頃からです。
アラスカで写真を撮っていた星野道夫さんという写真家にとても影響を受けたこともあり、2005年から約2年半ほどアラスカに滞在していました。 2007年にアラスカから戻り、東京にある雑誌の出版部で働き、2010年から福岡で仕事をしています。
-ターゲットは? また競合との差別化について教えてください。
ターゲットは登山・アウトドアユーザーです。なるべく初心者の方たちに使ってほしいと思っているので、機能をたくさん詰め込むより、シンプルな設計、使いやすさを心掛けています。
競合との違いは「①山で現在地がわかる安全性、②紙の地図として持ち運べる快適さ、③情報共有し合える山のSNS機能。」この3つをYAMAPワンストップで提供している点です。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
2013年10月のシード期に、サムライ・インキュベートから出資をして頂きました。2016年1月に、コロプラ、大和企業投資、ドーガン・ベータの3社から、シリーズA規模の資金調達をさせて頂きました。
今後については、事業シナジー高い企業様からの出資・資本提携を進めていきたいと考えています。
-一日のスケジュールを教えてください。
8:30 出社
18:00 帰宅
帰宅後は犬の散歩に行きます。週に一回ヨガ教室に通っています。
-良く使用するアプリを教えてください。
FBメッセンジャーなどのコミュニケーション系アプリでしょうか。社内のコミュニケーションツールとしてはSlackを活用しています。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
やっぱり山ですかね。福岡市近郊だと糸島にある二丈岳によく登っています。
-影響を受けた人物を教えてください。
星野道夫さんとジョゼフ・キャンベルさん(神話学者)です。
地味ですが、両親や家族からの影響も大きいと思います。
春山さんの言うとおり、現代人はなかなか自然に親しむ時間が少なくなってきているが、自然の中で体を動かしたり、自分を見つめなおすという時間を持ちたいという欲求は今後ますます増えるであろう。一方、登山者の増加とともに、遭難事故件数も年々増加しており、気軽に楽しむためには安全への知識や装備などにはまだまだ課題がありそうだ。 YAMAPの普及で、一人でも安全に自然と親しむ人が増え、心身のバランスが健康に保つことができるようになれば、より豊かな日本、世界に近づいていくことができるのではないだろうか。
テクノロジーとスポーツを繋ぐKadho Inc. – President 菅 保人さん
今回は、ロサンゼルスにてUS在住の日系一世で、現在Kadho Inc. のKadho Sports Presidentである菅 保人(Yasuto Suga)さんにお会いし、経歴や、日本とUSの仕事の違い、USスタートアップの状況、今後のテクノロジーなどリラックスした雰囲気の中、たくさんの有用な情報を聞かせて頂きました。
-菅さんについて、また会社のサービスについて教えてください。
菅 保人 です。現在39歳、日本生まれアメリカ育ちです。生後半年位からアメリカで生活していますので、ほとんどアメリカ人みたいなものです。
バックグラウンドとしては、20年くらい前からデザイン、Flashのアニメーションを始め、その後はモーショングラフィックス、アフターテクトレス、3Dのグラフィック系に入っていきました。 その後2008年に日本に移り、従弟2人と一緒に株式会社Ray of Light を設立しました。ウェブサイト、CM、グラフィックアニメーション等を作成し、創業から2年で社員は5人に増え、順調だったのですが、その頃、知人がゲーム会社を始めるので、一緒にやらないかという誘いが来ました。 当時、まだ小さかったモバゲー(DeNA)、グリーが出てきて、これからモバイルゲーム業界が大きく成長していくという時期だったので、そちらにビジネスチャンスを感じ、そこで働くことにしました。
しかしゲーム業界というのは、かなり重労働でした。売れるゲームはすごく売れるのですが、リスクもとても大きいです。実はゲームの作成はとても費用がかかるんですよね。多数のプログラマーも必要ですし、期間も最低でも半年以上はかかります。さらに、ゲーム自体が完成してからも、豊富な広告費がないと売れるのは難しい。加えて、モバイルゲームは、9割の人はお金を使わずにプレイするのが現状です。すなわち2~5%の課金対象の人からたくさんのお金をもらわなければ、利益がでないんですよね。コストが払えない、ということもしばしばあります。 そこで3年くらい在籍後、自分には向いていないと判断し、退職を決めました。
今後をどうするか考えた時に、その時点で約6年、日本に在住し、いい所もたくさん体験しましたが、テクノロジーの古さ、生活や会社内でのルールや、コミュニケーション面等でのスピードの遅さ等に不便も感じてきていたことと、今から日本で新しいことを始めると最低でも5年は日本に残らなければならないということで、アメリカに戻ることを決めました。
その後、1年充電期間を経て、2009年、現在のco-founderである2名に出会いました。ゲーム会社の起業を考えている人だと思って会ったのですが、そうではなく、彼らはPHP(Hypertext Pre-processor)ということでした。日本語で上手く説明できませんが、ニューロサイエンティスト、いわゆる感情やサイコロジーではなく、脳のどの部分が何をするかという、脳の機能についての脳科学の分野です。彼らはニューロサイエンスを利用し、他言語を話すことができる脳をプログラミングするテクノロジーの開発を考えていました。
一般的に子供は、どの国に行っても2年以内でその国の言語を話すと言われています。それはなぜなのか?どうして大人になってから何年勉強しても話せないのか?ということをその2人が脳科学的に調査をしました。その結果「その言語が持つ音」を7歳までに聞いていないから、ということがわかったそうです。 あらゆる言語には、その言語しか持たない音、というのがあるんです。たとえば英語の「V」や「R」が日本語にはないように。このような音が7歳までに脳にインプットされていれば、たとえ大人になってからでも、聞いてない人の10倍速い言語習得が可能だといいます。 すなわち、その能力を維持すれば、他言語の習得が可能になるわけです。
そこで、彼らはそういう物を「おもちゃ化」して子供に遊ばせ、成長してからでも他言語習得可能な脳に変えるというテクノロジーの開発をしていました。
それを聞いてすごく興味を持ったのですが、インタビューの段階で、彼らは現段階では資金不足で、半年後の投資を受けるために、ゲームが作れる人材を探している状況だったようです。 お金がないということで、辞退も考えたのですが、彼らはもう一つ面白い話をしてきました。
「僕らは人間のリアクションタイムを速くできる」というんです。 彼らはアスリートのリアクションタイムを速くできるテクノロジーも持っていたのですが、まだ駆け出しのスタートアップだったこともあり、現在の投資家に言語分野のみという条件で資金を提供してもらっていたので、その分野は棚上げされていたようです。 しかし、そのテクノロジーにとても興味をもった私は、デモを見せてもらいました。ほんの少し見ただけで心奪われてしまい、「このスポーツの分野を私がリーダーとして無料で手伝わせてもらえませんか」と自分からお願いして、そこから9か月無料で働きました。
それが2年半前のことでしたが、そこからどんどんテクノロジーを開発し、人を増やしていきました。現在は言語分野がKadho AIといって、主に中国をターゲットに英語のE-learning のサービスを提供している部門、スポーツ用テクノロジーを提供しているKadho Sportsを僕が担当させてもらっています。
2015年、このスポーツ部門最初の顧客がアメリカの女子バレーボールチームでした。初めは監督がCo-founderに「問題解決のためあなたたちの力を貸してほしいと」アプローチしてきたのがきっかけでした。 それは、例えばこちらが守備の時、相手チームの攻撃するボールがネットのある程度の位置に来るのを確認してから、選手がブロック等の守備に動いているが、これを予測し、もっと速く対応することはできないか、そして、そのスキルは口ではうまく教えることができないので、どうにかできないかという相談でした。 この問題を解決するのは、私達にとっても大きなチャレンジでした。USAのトッププレーヤーにどううまく伝えるか。ボールの位置を見る前に、リアクションをする、ということをテクノロジーを使って教える、というのが課題となりました。 どのスポーツでも、まず相手の動きを見てからリアクションを取る、身体面が大部分だと思っている方も多いでしょうか、実際に試合の場に立つと、予測がとても重要になってきます。目で見たあと、脳でいろいろなことを考え、分析し、次の行動を決定します。その流れをテクノロジーを通じて、効率を高める、トレーニング力を上げる、ということを提供し、結果として去年女子チームは銅メダルを獲得しました。
その他に、昨年からNCWA(大学野球)2チーム、メジャーリーグ1チームに携わっており、今年はNCWAが約6チームとメジャーが数チーム、バレーボールチームが2チーム、秋からはアメリカンフットボールへの介入が始まります。現在は、バスケットボール、サッカーあとはホッケーチームをターゲットに新規開拓している所です。
-新規取引先を探す時に、具体的にどのようなことをしていますか?
新しい顧客を探すのは本当に大変な作業です。もちろん各団体、協会、チームなどに直接コンタクトもしますが、他には知人、関係先、また有償の紹介サービスを使って紹介してもらったりしています。...
家電の常識が変わる!さらに便利な生活へ- Robit -
朝すっきり起きられない。何度もスヌーズしてしまう。一日中体がだるい。・・・多くの人が感じていることであろう。 今回のインタビューは、自動でカーテンを開け、朝日が差し込むことにより体と脳を「起きるモード」にし、快適に目覚めることができる、世界初のカーテン自動開閉機という家電を開発した株式会社Robit(ロビット)の最高製造責任者 平野 龍一氏にお話を伺った。
―Robitの家電製品・サービスについて教えてください。
創業は2014年で、従業員は現在パートも含め現在10名ほどです。
私達のメインプロダクトは、めざましカーテン「mornin’」です。こちらはスマートフォンと連動する、いわゆる「スマート家電」で、カーテンの裏側に隠れるような形で、既存のカーテンレールにワンタッチで取り付けることができます。スマートフォンで起床時刻をセットすると、タイマーが働いて、カーテンが自動で開き、光が差し込むことによって快適に目覚めることができるという、画期的で便利な家電製品です。
「スマホ連動型カーテン自動開閉機」というのが、かつて世の中になかったということ、また3,985円(税込)と、とてもお求め安い価格で「スマート家電」を提供できる、という点が「新しい」と思っています。さらに、乾電池3本で駆動でき、とてもコンパクトなサイズです。
-起業のきっかけを教えてください。
私と代表の高橋は同じ大学の研究室で先輩後輩という関係でして、学生向けの起業家コンテストに一緒に出場したことがきっかけとなりました。そこで優勝したり、優秀な賞を頂いたりしたことが、この起業に結びついています。 その時は、「mornin’」ではなく、高橋がイベントの誘導員をやっていた時に、お客様を誘導する際に正しい情報がうまく伝わってこず、お客様の対応にとても不便を感じていたという経験から「そこをロボットに置き換えられないか」というビジネスアイディアで、コンテストに出場しました。
起業した時の他のメンバーも全員同じ大学の仲間です。もともとは先ほど触れたように、高橋とビジネスコンテストに出たのがきっかけですが、その後仲間を集めて4人で起業に至りました。 ただ、僕も含めて、高橋以外は一度就職しまして、その間に彼が資金調達等の準備をし、約一年後、再度集まって、会社として製品の開発をスタートさせた、という形です。
また、全員が理系出身、かつちょうどよく専門分野が分かれていたことも一因になっています。僕はメカニカルな設計が得意ですが、もう一人は過去にインテルで働いており、半導体や電子の分野が強く、他の一人はアプリのエンジニアとしてミクシィに勤めていて、スマートフォンのアプリに強い。そして代表の高橋は外部との折衝が得意ということで、この4人が集まれば、何でもできるんじゃないか、ということも独立の決め手になりました。
学生時代から、基本的に「身の回りの不便や困難を解消する」ということを主軸に、一貫してやってきまして、起業して最初のプロダクトが「mornin’」です。
-平野さんのバックグラウンドを教えてください。
「ものをつくる」ということは、小さい頃からすごく好きでした。私の父は理系ではありませんでしたが、車いじりや趣味で物を作るのが好きな人でした。あまりおもちゃやゲームを与えてくれませんでしたが、工作道具、例えばラジオペンチなどの工具はいくらでも買ってくれました。そういった中で、自分で何かを作っておもちゃとして遊ぶ、ということが経験として身についており、今考えると計画的に育てられたのかな、と思います(笑)
機械に関しては、大学に入学前より、入ってからの方が興味が高まり、1年中何かを作ったり、サークルに入ってロボコンに参加したりしていましたね。
起業自体は学生時代にしてしまっておりましたが、「いつかはまた皆で集まってやりたいな」という気持ちをずっと持っていましたので、数年後の起業に向けて一度就職し、HONDAでトランスミッションの設計を担当していました。1年位で、高橋が思ったより早い段階で資金調達を決め、呼び戻してくれたので、再度仲間が集まり、起業となりました。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
現在は一般のコンシューマ向けで、20代~30代の働き盛りの方がメインターゲットです。やはり、朝すっきり目覚めたい、というのは、バリバリ働いている一人暮らしの若者が想定されますので、そこが一つのマーケットと考えています。
競合については、まだ誰も参入しておらず、今の所はないと思っています。今後、大手家電メーカー等が同様の製品を出してくる可能性はあるかもしれません。 ただそういった場合、弊社はアプリ経験者や知識が豊富という所と、アプリ専門企業の株式会社イグニスから資本提供して頂いており、相互協力関係もありますので、「アプリ」という点が弊社の強みになってくると思います。 また、組み立ては埼玉県にある工場で行っておりますが、全てMade in Japanであることも特徴の一つです。 後は、スマートフォンと繋がる家電が、まだ少ないこともあり、先駆者でもある弊社には先行の優位性もあるんじゃないかなと感じています。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
今回「mornin’」をローンチして、「目覚めに関するプロダクト」という点で一つ解を出せたのかな、と思っております。今後の展開としては、「目覚め」「睡眠」等の身の回りの不便に再度主軸をおいて、別の発想で解決できるものがないかということを見出して行きたいと思っております。現在、実際に平行していろいろと開発を進めている最中です。
海外マーケットは、いずれしたいという希望はありますが、現段階では難しいので、まずは国内を固め、次のステップとして徐々に広げて行けたらなと思っております。
-一日のスケジュールを教えてください。
9:00 出社
21:00 帰宅
私は設計担当ですので、だいたい9時に出社して、そこから21時くらいまでずっと業務(設計・プロトタイプの作成・テスト 等)をして、帰宅ということが多いです。他の社員は、特にコアタイムは決まってないので、個人の業務に応じて出社する感じですね。
-良く使用するアプリを教えてください。
SmartnewsやNewspicksが多いですね。 社内のコミュニケーションはSlackを使用する頻度が高いです。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
車が好きでドライブが趣味なので、目的地もなくちょっとした田舎道を走りに行ったりするのが好きです。
-影響を受けた人物を教えてください。
何人かいますが、まずは自分が「ものづくり」が好きになったきっかけを与えてくれたという点で家庭、特に父からはとても影響を受けていると感じています。
あとはこちらも「ものづくり」に関してですが、大学に入り、先輩からの影響で、ロボットコンテストにでたり、機械により興味を持ったりしたので、そういう諸先輩方の影響も大きいと思います。
人間の体は太陽の光を浴びると睡眠ホルモンの分泌が抑えられ、自然に起きられるメカニズムになっているという。 「mornin’」は、目覚まし時計の機械的な音で起こされるのではなく、自然の光で気持ちのいい一日をスタートさせてくれ、忙しい現代人に少しの余裕と気持ちの変化を与えてくれる小さな助っ人になるであろう。 今後も理系男子4人の「ものづくりへの思い」「仲間との信頼関係」を結集した独自の技術で、私達の生活の不便を解消するものづくりを続けていって頂きたい。
節水率9割!洗浄力も併せ持つノズル - DG TAKANO -
水不足が世界的に問題になってきているが、現在の日本において、実生活でその深刻さを感じることはほとんどないだろう。 お風呂や洗濯などの生活用水を多少節約したところで、あまり変わらないと思ってしまうのが現状だ。 しかし、世界での水需要は50年前に比べ、およそ3倍になっており、この問題は世界規模で深刻になってきている。 そんな未来を見据えて開発されたという超節水洗浄ノズル「Bubble90」。ここまで数々の賞を取っており、各メディアでも取り上げられているので、目にした方も多いかもしれない。
今回は、株式会社DG TAKANO 代表取締役 高野 雅彰氏にお話を伺った。
―DG TAKANOのサービスについて教えてください。
僕たちは、ものづくりが活発な東大阪市の町工場発ベンチャーという、非常にめずらしい会社です。
50年以上金属加工をしてきた工場の技術を利用し、現在の社会課題を解決する、ところからスタートしました。 実は最初は「ものづくり」ではなく、ITベンチャーとして起業しました。私自身、ITでも、ものづくりでも「新しいものを生み出す」という点では共通していると考えていましたし、会社組織としてというよりも、組織内外の人たちがいろいろな意見やアイディアを出し合う集団を作り上げていきたい、という希望がありましたので「Designers Guild(デザイナーズギルド)」という組織を起ち上げました。
起業当時、一人だけでできる限界がこの節水ノズル「Bubble90」でした。このノズルは最大節水率95%、平均でも8割~9割は節水できるので、実際の流し洗い水の使用量は10%で済むわけです。これを世界中の蛇口につけると、人が使う流し洗い水の使用量は10%に抑えることができるわけです。
開発時からそういうイメージで作成しておりましたので、プロトタイプができてすぐに日本ではなく、ドイツのベルリンの展示会に出展しました。そしたらヨーロッパではすごい評価だったんです。やはり環境先進国ですし、環境に対する意識がとても高いため、すぐに売ってほしいという話もありました。
その後帰国し、日本の「超モノづくり部品大賞」に応募したところ、世界の水不足、水資源の問題に貢献できる可能性があるということで、そこで日本一を頂きました。 しかし、2009年当時、水が豊富にある日本では節水よりも節電が注目されていることもあり、残念ながら民間市場での需要があまりありませんでした。 世界ではニーズがあるのに、日本では全然ニーズがない。だからといって、自分一人の会社で世界販売する企業体力もまだありませんでしたので、厳しい日本の市場の中で、会社として組織化し、それを強くしていくことに大変苦労し、4年程赤字が続きました。
そこでレストランのキッチンで使用してもらおう、ということで外食産業をターゲットに売り込んだところ、これが転換期になりました。キッチンでは水の使用量の他、お湯の使用量も多い。お湯の使用量が下がればガス代も下がる。水道代に加え、ガス代の節約にもなるわけです。 現在の日本の外食産業はとても厳しく、人件費も限界まで下げ、食材の仕入れ値も落としても、だいたい5年で8割~9割の飲食店が倒産し、入れ替わっている状況の中で、この節水でのコスト削減方法はとても受けました。食洗機が導入されているところでも、予洗いの段階で9割の水道代が削減できる、ということでどんなキッチンでも高い効果を発揮し、2014年、一気に広まりました。
そういう経緯で、最初に作った製品がいきなり日本一をとって、一気に脚光を浴び、いろいろな賞も頂いたので、DG TAKANOは「節水ベンチャー」のように思われていますが、実際は「新しいモノを世の中にどんどん生み出す」製品第一号が成功した。という感覚ですので、今後は節水だけに関わらず、違ったジャンルの「新しいもの」を第二弾、第三弾と進めている最中です。
-起業のきっかけを教えてください。
やはり「世の中にない新しいものを生み出す」ということが一番です。できることなら社会にいい影響や大きなインパクトを与えられるもの、「あってもなくてもいい商品」ではなく、人々の生活が豊かになったり、行動が変わるようなものを、今後もここからどんどん生み出して行きたい。と思っています。
-高野さんのバックグラウンドを教えてください。
以前はIT業界で営業を3年間していました。学生の時から、働いても働かなくても給料が変わらないとか、役職のポストに左右されてやりたいこともやれないような日系の企業には全く魅力を感じていませんでした。自分で会社を作れば、会社のルールはもちろん、どんなことをするか、どんな人と仕事をするかを全て自分で決められるわけです。そんな理由で10代の頃から、ずっと社長になりたいと思っていました。これは当時珍しかったようで、周りの友達はみんな大企業に就職をしました。僕一人、起業を念頭に社会経験としてITベンチャーに入り、その後、ITベンチャーを起ち上げた、という経緯があります。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
基本的には飲食店、外食産業がメインです。
競合については、他にも節水業者はあると思いますが、ダントツの性能をだしていますので、節水の性能では競合はありません。あとは他社では通常、毎月課金モデルで数年契約ですが、うちは売り金モデルですのでイニシャルコストは違いますが、年間削減額でみると差は大きくでます。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
「Bubble90」に関しては、水圧、水の質、地域等に関わらずどこでも使えるものにするべく、現在も開発を続けていますし、家庭用への問い合わせ・要望もとても多いので、そちらも考えています。
他にはIT系のシステムを開発中なのと、「Bubble 90」は環境を考えた節水ノズルでしたが、次は健康に関するものを開発中です。
海外からの問い合わせはたくさんありますが、現在シリコンバレーに拠点を置き、海外展開をスタートしたところです。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
今のところ、投資を受ける予定はありません。自己資金からスタートして、一番つらい時期は乗り越えたと思っていますので、今後もこのまま進む予定です。ただこれからどんどん新しいものを生み出して行きますので、子会社化してそれを売却、というようなことはあると思います。
-一日のスケジュールを教えてください。
5:00頃 起床
5:30~6:30 仕事(アイデア出し)
7:00~8:30 ジム
9:00 出社(打ち合わせ・新規事業開発)
18:00~19:00 帰宅
うちの会社は基本的に長時間労働をしないので、遅くても20:00までには社員みんな帰るようにしています。
その後はジムにいったり、会食が入ったりしますが、遅くても1:00前には寝ます。
-良く使用するアプリを教えてください。
OmniFocus(オムニフォーカス)というアプリをおすすめします。個人のタスク管理アプリの中では、一番高くて一番性能がいいものだと思います。 忘れることもなくなりますし、計画的にいろいろできるようになります。 秘書がいなかった当時は、これが随分役に立ちました。 現在も秘書と共有して活用しています。
社内ツールとしてはMoxtra(モクストラ)を使用しています。これを導入してから、社内の効率が劇的にあがりました。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
いろいろ考えたんですけど・・・あまりないんですよね。
一人で焼肉行ったりもしますが・・・敢えていうとマッサージ屋さんかな(笑)
-影響を受けた人物を教えてください。
有名人でいうと、やはりSteve Jobsなんかは「すごいな」と思いますが、同じように仕事をしている身近な人の中にも影響を受けている人はいますね。
毎年1000社以上が倒産・廃業に追い込まれたバブル崩壊時代、自身も東大阪の町工場で育ったという高野氏。幼少からものづくりを肌で感じ、また苦しい時代を目の当たりにしたからこそ生まれたであろう、アイディア、パワー、スピードそして妥協を許さない姿勢を感じた。 世界中の水不足を解決すべく開発された「Bubble90」を筆頭に、今後もどんどんDG TAKANOならではの製品を世に送り出し、日本の「ものづくり」で世界をあっと言わせてほしい。
ファッションサービスの「#CBK」(カブキ)— ニューロープ —
女性なら、ファッション雑誌やお気に入りモデルのSNSを見ながら「こんな服、私もほしいな」「同じようなコーディネートしたいな」と思うことがあるだろう。ニューロープが提供する「#CBK(カブキ)」はそんな希望をすぐに叶えてくれる、新しいファッションメディアだ。
今回は、株式会社ニューロープ 代表取締役CEO 酒井 聡氏にお話しを伺った。
―ニューロープのサービスについて教えてください。
主にファッションサービスの「#CBK(カブキ)」を運営しています。提携している約300名のモデルさんからファッションスナップを提供してもらっていて、ユーザーはおしゃれなスナップや、コーデの解説を読むことができます。気に入ったコーデがあれば、弊社が提携している通販サイトで類似アイテムを購入できます。 現在3つのマーケットモールと提携していて、アイテム総数は25万点以上。売上の一部はモデルさんにも還元しています。
マガジンサイトも運営しています。記事に掲載されているコーデが気に入ったら、同様にそのまま似ているアイテムを購入できます。「リネンシャツはこのアイテムと相性が良いんです!」というような文脈がついていると読者の購入意欲は一層高まるようで、非常に高いCTR(通販サイトへの遷移率)を実現できています。
この成功例を横展開すべく、弊社が所有する「アイテム情報が紐づいているスナップ」を#CBK(カブキ)以外のファッションメディアに提供する取り組みを進めています。#CBK(カブキ)のスナップを記事中に掲載すると、自動でアイテム情報が表示されるため、記事をマネタイズできます。スナップの引用元を探しているメディアさんも多く、順調に各社との提携が進んでいます。
-起業のきっかけを教えてください。
もともと集団行動が苦手だったので、会社勤めは向いていないだろうと思っていました。当時はずっと作家になりたいと考えていて、純文学を読んだり、原稿用紙200-400枚くらいの作品をいくつか書いたりしていました。作家になるには「経験」も大事な要素だと思っていたので、学生の頃はアルバイトを半年ごとに変えて色々な仕事に挑戦したり、サークルも10個くらい掛け持ちしていました。ロサンゼルスに1か月間の短期留学に行ったときも、トランクに本をパンパンに詰めていって100冊読破するという、二兎を追う毎日でした。
そんな中、たまたま手にした『渋谷ではたらく社長の告白』を皮切りに、いわゆる「起業本」にはまってしまい、その影響で初めて「起業」を意識しました。それからは経営周りの勉強をするために中小企業診断士の資格を取ったり、今起業するならITは不可欠だろうと転職したり、行動のベクトルが起業に向き始めました。 直接的な契機はサイバーエージェント社主催のイベントに参加したことです。サイバーエージェントの執行役員の方にメンターになっていただき、アドバイスを受けながらプランを練っていくというもので、最終日にファッション事業のプレゼンをしたところ、出資を検討していただけることになりました。
ファッションを題材にしたのは2013年当時ファッションカテゴリーで強力なプレイヤーがまだいなかったので、ビジネスチャンスを感じたためです。
-酒井さんのバックグラウンドを教えてください。
出身は九州です。中学から私立に進学し、バス通学中にすることがなくて本を読み始め、太宰治や三島由紀夫に出会って衝撃を受けました。自分もこんなすごい作品を生みたいと思って文章を書き始め、ネットのアマチュアの文章投稿サイトに掲載。大人たちから寄せられるガチのダメだしに心を痛めながらも研鑽していました。
大学を卒業する頃は「作家」と「起業」が半々くらいの気持ちでいました。いずれにしても自分の一番苦手分野が営業だと思っていたので、新しい経験が積めること、起業にも役立つことから、マイナビに就職。3年間働きました。 その後、伸びている業界に身をおくべきだと考え、ウェブアプリやスマホアプリの受託開発を手がけているランチェスターに転職。2年ほど経験を積んだところで、起業に至りました。
-ターゲットは? また競合との差別化について教えてください。
主なターゲットは、インターネットで服を購入する層。20代後半から40代前半の「大人の女性」です。いろいろな通販サイトの運用担当の方にお話をうかがっていると大抵「ボリュームゾーンは30代」という回答をいただきます。小さなお子さんがいらっしゃると店舗で買いものをして試着するということが難しくなるため、ネットを使ってみるという方が多いのだろうという仮説を立てています。
若い方にも「一度通販サイトで買ってみると意外と便利なことに気づいて、リピートする」という方が多く、「きっかけ」が大事なのかな、と思っています。
競合の話で言うと、弊社はメディア・サービスとしてというよりは、インフラ・後方支援としていろいろなサービスを後押ししていくような立ち位置を取っていて、現在は実質的に大手1社くらいしかいない状態です。その大手とも提携をしているので、同業他社はすべからく味方であると考えています。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
まずは、提携メディアをどんどん増やしていって、面として露出を増やしていきます。同時並行で、2017年5月に実用化したばかりのファッションスナップを自動で情報化する人工知能を広げていきます。現在大手企業と複数のプロジェクトを進行しています。
特に日本というドメインに縛られない業態なので、海外への展開も考えています。まずはアジア圏から、日本のファッションを各国に発信するというだけではなく、各地のニーズに合うように現地のインフルエンサーを発掘して、水平展開していきたいと思っています。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
先ほど触れた通り、サイバーエージェント社から出資を受けています。 次のラウンドについては、ちょうど今動き出しているところです。事業をきちんと理解してくれる企業・投資家さん、起業家へのリスペクトをお持ちの方とご一緒できたらハッピーですね。
-一日のスケジュールを教えてください。
基本的に月水金はオフィスで、火・木は自宅やカフェで仕事をすることが多いです。
コアタイムは11:00~19:00くらいですが、その前も後も、結局いつも仕事をしてしまっています。
週に2回ほど、昼に40分間ほどのワークアウトを挟みます。
-良く使用するアプリを教えてください。
なかなか本を読む時間が取れないので、最近はAudible(オーディブル)を利用しています。本を音声で聞けるというもので、家事や単純業務をしているときにインプットできるので便利です。同じ理由でテレビ東京の『ビジネスオンデマンド』も愛用しています。『ワールドビジネスサテライト』や『未来世紀ジパング』は情報として良質で、Audibleよりもこちらを聴いている時間の方が長いと思います。
ビジネスツールでは名刺管理のCamCard(カムカード)、チャットアプリではSlack(スラック)を使っています。
ニュースアプリはおなじみのNewsPicks。コメントを付けることを前提でニュースを読むと、インプットの質が変わってきます。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
本日のこのcafé STUDIO(原宿)は打ち合わせ場所として良く利用しています。
作業場所としてはガストやジョナサンなどのファミレスを使い倒しています。糖質制限ランチも充実しているし、電源もドリンクバーもあり、テーブルも広いという理想的な環境です。都内だと大抵の街にあるので、打ち合わせと打ち合わせの間など、東京中の「すかいらーくグループ」のお世話になっています。
-影響を受けた人物を教えてください。
本を通して影響を受けたという点では藤田 晋さん(サイバーエージェント)、見城徹さん(幻冬舎)などたくさんいます。身近なところでいうと、前職の社長であるランチェスターの田代健太郎さんは器が大きい方で、人として尊敬しています。元甲子園球児でバスプロを目指していたという経歴もとても面白く、現在でも交流があります。 あとはイラストレーターとアンティークショップという二足のわらじで自分らしい生き方を追求している母の影響は大きいと思います。母もあまりコミュニケーションが得意なタイプではないのですが、フランスまで仕入れに行って日本で売るということをもう20年以上続けていて、「やってやれないことはない」という意識はそういう姿を見ていて生まれた気がします。
作家を目指し、起業に向けての様々な経験も積んできたというだけあって、文学のみならずアート、IT、経営等、多岐な分野の知識が豊富で、それを伝えるのがとても的確な印象の酒井氏。現在はファッション事業がメインだが、今後、力を入れている人工知能の分野や、サービスの提供、デザイン、執筆等でも活躍し、彼の名前を見ることが多くなるであろう。 サンタモニカのおしゃれスナップなども是非手がけていただきたい。
AI画像解析支援システム開発する東大発のベンチャー ‐ LPixel ‐
今年2月24日に行われた「Tecstars x Hipstarters Pitch Event」に登壇したLPixel(エルピクセル)。
LPixelは2014年3月に東京大学大学院の生命科学の研究者を中心に設立された画像処理・解析ソフトの開発を行うベンチャー企業だ。
今回は代表の島原佑基氏にお話しを伺った。
―LPixelのサービスについて教えてください。
我々は東大発のベンチャーで、コアバリューとしてはライフサイエンス分野-医療、製薬、農業等の画像解析、またそれに関わる業務全般をしており、今は自社開発に注力しています。 主に二つあり、一つは医療分野のCT、MRI、顕微鏡、内視鏡といった画像から医師がどうしてそのように診断したかを、ディープラーニングさせ、いかに他の画像解析技術と組み合わせて精度のよいソフトウェアを作るかという研究・開発。
すなわち医師がいままで診断していたものを診断結果のデータをもとにAIを開発し、そのシステムを使用することにより、見過ごしなくより正確に診断できるという、診断支援システムを開発しています。 やはり人間はどうしてもミスをしてしまいますので、それをなくすというところがコンピュータ化する意義だと思います。
二つ目は、医療だけではなく、ライフサイエンス全般の画像解析ができるプラットフォームです。今までは研究者が撮影し、どんどんたまっていく画像解析は我々の所に依頼が届いていましたが、弊社がもつノウハウをAIにし、知識がなくても画像解析ができるようなシステムを開発しています。
現在のボトルネック(システム設計上の制約の概念)を一気になくすような「簡単・高速・高精度」なシステムを目指しています。
―島原さんのバックグラウンドを教えてください。
私はもともとエンジニアリング系が好きだったので、自動車を作ろうと思っていました。 機械工学系に進むことを考えていた時に、山中伸弥教授のiPS細胞のニュースを見て、これからの時代は機械を作っている場合ではなく、生物を作る時代だな、と感じ、大学から生物を始めました。 そういった意味で理学のサイエンティストというよりは生物のエンジニアリング、「生物×エンジニアリング」という所に興味がありました。
バイオという分野はすごい情報量を扱います。たとえばゲノムにしても遺伝子からタンパク質ができ、タンパク質がいろいろな相互作用をしているとか、脳にしても複雑すぎて再現できない、というくらいですから、膨大なコンピュータの力が必要になります。 ですので「バイオ×IT」という概念から、まず初めに遺伝子の合成生物学、遺伝子を組み合わせて生物を作る、ということをやりました。
ただ、そこで「まだこの分野はもう少し先ではないか」と感じ、生物を作るなら、まずはもう少し実用的なもの、難しいものはないかと考えているところで画像と出会いました。
ゲノムだと「このゲノムだとこの癌です」ということは、まだあまり言えませんが、画像だと身近で、判断もしやすいということもあります。また遺伝子はなかなか目に見えませんが、画像は顕微鏡でみると美しいものがあったりして、とても面白く、そこから細胞内の挙動のモデル化をし、シミュレーションをして顕微鏡で画像を解析するということをしていました。 そこで感じたのは、とてもニーズがあるということでした。
生物分野では実験や研究する方が多く、ITとはなかなか遠いところがありますので、そこの架け橋となる存在はとても重要になるなと。
その段階でも40くらいの共同研究があったので、すぐ会社にすることもできたのですが、学生で起業する前に、まず圧倒的なスピードで社会経験を積んでおかなければいけない、ということと、会社をグローバルにしたかったので、海外経験を積むことも大事だと考えていましたので、ソーシャルゲームのグリーに入社し、経営企画と人事も経験しました。ただそこでは海外経験が積めなかったので、KLabという会社に転職し、海外事業開発等の経験をさせてもらいました。 そこで起業に至るのですが、最初の一年はKLab在籍中に副業として、週末等を利用し、人件費ゼロで、研究室のメンバー3人で始めました。
-なぜ、いつ始めようと思いましたか?
いろいろな積み重ねはあったのですが、まず21世紀は「バイオ×IT」の時代だなと思っていました。そこで新しい仕事なので、新しい会社ができ、それが大きくなっていくのだろうなという認識のなかで「今そういう会社があるかな?」と考えたら、その時点でなかったので、「では自分で作るしかない」と思いで始めました。 大学時代から考えていましたが、実際起業したのは、2年社会経験を積んだあとです。
-ターゲットは?また競合との差別化について教えてください。
ターゲットは病院、製薬企業を含むライフサイエンス全般、あとは大学・研究所等ですね。農業分野については、国から研究費を頂いて、環境ストレスに強い作物をつくるための研究をしています。 それも今までは農家の人が経験や勘に頼っていた部分が多いのですが、画像をとって定量的に解析をしています。
競合については各分野においてはあると思いますが、ただライフサイエンスと画像解析全体としては我々のような強みはとてもユニークだと思います。ニーズが先行しているので、もし競合があれば仕事を分かち合いたいと思っているほどです。
-今後の展開、また海外への展開について教えてください。
二つありまして、一つは今力をいれている医療です。なかなかこういった新しい取り組みについては「AI×医療は危険ではないか?」という意見もあると思いますが、実際にAIが自動診断をするわけではなく、診断支援のよきパートナーとなるべきものなので、そのような誤解をしっかり解いていきたいですね。 そして日本の優秀な医師の診断をAIにして全世界に発信し、世界最高精度のソフトウェアを、東南アジアでもアフリカでも、世界で公平にわかちあえる、ということに理解を得て、このようなソフトウェアをきちんと医療機器として承認をとって、グローバルで導入させていきたいです。日本にも良質な画像はたくさんありますので、そういったものを日本の強みとして輸出をしていく、ということをやりたいな、と。そのうち、保険点数がつけば、一気に拡がると思うので、そういうところまでしっかりやっていきたいと考えています。
二つ目はグローバル化を加速させるということ。一つのソリューションとしては、すでにシンガポールにiLPixelというジョイントベンチャーがあるのですが、こちらは研究のインフラです。 実はこの会社を設立するときにちょうどSTAP細胞問題がおきまして、これを何とかしなくてはならない、と。ライフサイエンスと画像解析がわかる我々のような人でなければ、こういう問題を防ぐ活動はできないだろうと思い、画像不正検出するようなシステムを提供しています。 実はこのような問題は世界各国で起こっており、現在でもグローバルから問い合わせ多くがあります。シンガポールを拠点に現在は台湾・韓国等にお客様がおり、今後も徐々にグローバル展開を広めていきたいなと思っています。
-過去の投資、また今後の投資について教えてください。
公表しているものでは昨年10月にシリーズAで、(株)ジャフコ、東レエンジニアリング(株)、Mistletoe(株)と、ジョイントベンチャーの提携先から約7億円の調達をしました。
今後の投資につきましては、すぐには必須だとは考えていませんが、今後は資金だけではなく、事業的なシナジーがあるところ、特にグローバル化と医療機器としてしっかりパートナーとして入って頂けるところとは積極的に検討していきたいなと思っています。
―一日のスケジュールを教えてください。
7:00 起床
8:00-10:00 カフェにてインプットと仕事
10:00-12:00 出社、ミーティング等
12:00-13:00 ランチ
13:00-19:00 外出・来客(ミーティング等)
19:00-20:00 夕食
20:00-24:00 オフィスかカフェにて仕事または会食
24:00-25:00 勉強
25:00 就寝
-良く使用するアプリを教えてください。
Evernoteですかね。現在も研究をしているのですが、Evernoteでも記録しているので、これは必須ですね。
-お気に入りのハングアウト場所を教えてください。
スタバなどのカフェが多いですね。レストランだと・・・ほぼ毎日なか卯かCOCO壱にいます(笑)。
-影響を受けた人物を教えてください。
遠い存在ですが山中伸弥教授です。山中教授のニュースをみていなければ現在は機械のエンジニアになっていたと思います。いつかそういったロールモデルになれたら嬉しいなと思います。
かくいう私も単純に医療にAIって大丈夫なのかな?と思ってしまった一人であった。しかし、島原氏のわかりやすい解説により、LPixelが研究者・医師等の負担を減らす。画像解析でより高精度な診断をする。判断ミスを減らし、早期発見にもつながる。ということが良くわかった。 これから高齢化がどんどん進み、医療機関も新たな対応が迫られるであろう日本においては医療をスピード化・平等化する革新的なサービスとなるであろう。 また、日本の持つ強み(データ量や技術等)もどんどん世界へ発信していってほしい。
テクノロジーの力で家族コミュニケーションを豊かに – Unifa –
今年2月24日に行われた「Teckstars x Hipstarters Pitch Event」に登壇し、その後、3月24日にアメリカ・サンフランシスコで開催された「Startup World cup 2017」に日本代表として出場し、見事優勝を手にした「Unifa(ユニファ株式会社)」。 Unifaは『Unify(一つにする)+Family(家族)』の造語で、その名の通り「家族コミュニケーション」を豊かにするプラットフォームの創造に取り組んでいる。今回は東京オフィスの事業管理部部長 森田修平氏にお話しを伺った。
-Unifaのサービスについて教えてください。
我々は「保育業界」に着目して、保育士と保護者双方に価値をお届けするサービスを提供していきたいと考えております。 昨今の日本の保育業界においては、保育士さんが保育園に就職してもすぐに辞めてしまうという事態が頻発しており、慢性的な人手不足が問題になっています。 一方、家族・子供に焦点を当ててみると「子供の孤立化」が発生しています。というのは、共働き世帯が増えていることで、子供一人当たりにかける時間が減ってきているためです。 その中で、両者の課題解決のために、インターネット写真動画サービス「るくみーフォト」と園内見守り業務のデジタル化支援、すなわち園内のアナログ文化をデジタル化していくことで、「保育士の業務効率化」を支援するサービスを提供しています。 サービスコンセプトとしては、テクノロジーの力で園内業務をサポートし、かつコミュニケーションを豊かにしようというBtoBtoCのビジネスモデルになります。
現在、保育園の大半では依然として、撮影した写真を「壁張り」形式で保護者の方に提供しています。 ただこの壁張りは、保育士にとってとても大変な作業です。デジタルカメラで撮影したデータをPCに取り込み、クラスや子供毎に仕分けを行い、さらに現像手配等も必要になります。 そこで我々は、タブレットで撮った写真が3秒後にはアップロードされるという形で、写真業務を効率化するサービスを提供しています。当社サービスの特徴は、撮影を除けばほぼ全ての写真事務が自動化されるという点にあります。 既存の写真サービスは写真の質に重きを置いており、結婚式などのイベントで派遣されるプロカメラマンにとって受けがいいシステムとなっている一方、私達は「保育業務」に重点をおき、画像認識、撮影アプリの提供、セキュリティの確保等、「保育士が使いやすいサービス」を第一に考えて、サービスを磨いてきました。 保育園側のメリットとしては、写真事務が楽になる他、保護者に対して園内の可視化ができる、またこのサービスを通じ、園にお金が一部入る仕組みとなっています。 また、保護者側も園内写真を通して、家では見ることができない子供の様子を知ることができ、それを通じて家族内のコミュニケーションがより豊かになると思っています。 現在こちらのサービスは、約1,300ヶ所以上の施設にご利用いただいています。
園内写真事務を含め、保育園業界ではアナログ文化が根付いています。例えば園児の一人ずつの体温計測、午睡時間等をノートに記入する。また保護者との連絡帳を書く等、膨大な作業があります。そのような業務をデジタル化にシフトしていくことで、保育士の業務効率化を支援していきたいと考えています。
-起業のきっかけを教えてください。
弊社代表の土岐は、もともと住友商事から外資系コンサルティング会社のローランドベルガー、その後デロイトトーマツコンサルティングを経て起業に至りました。 外資系コンサルティング会社では多忙のため、帰宅が朝方になることも多々あり、家族との時間が取れずにいることに問題を感じていました。 そこで自分の経験を踏まえて、「家族の幸せになるようなサービスを提供したい」ということをテーマに起業を決意したという経緯があります。
私はそのデロイトで一緒のプロジェクトを担当していた時期があり、代表の人柄そしてサービスのコンセプトに共感し、会社設立から約2年後にジョインしました。
―既存のサービス、また競合との差別化のポイントは何ですか。
一つはビジネスモデルだと考えています。 一般的なサービスはBtoBあるいはBtoCの形式が多いと思いますが、我々は主に保護者に課金することで、保育園には廉価でサービスを提供する仕組みを採用しており、これによりまずは保育園・保育士を支援し、そして最終的にエンドユーザーである保護者にも喜んでもらえる、というBtoBtoCのサービスができるということが強みです。
また、ソフトウェアサービスだけではない、ということも特徴です。 最近は保育園向けのソフトウェアサービスが増えていますが、保育園は非常に特殊な業界であるため、現在の状況からすぐにデジタル化に移行するのは少し時間を要すると思います。 そこでその間にIOT、すなわちハードウェアベースでのサービスを介することで、よりソフトウェアサービスに親近感を持って貰うことができると考えています。...
自治体が運営する新たな交流施設 -SHIP 品川産業支援交流施設-
今回は先日2月24日、HIPSTARTERがお届けするイベントVOL.1として「Techstars x Hipstarters Pitch Event」に協賛頂き、会場となったSHIP 品川産業支援交流施設(以下SHIP)を紹介しよう。
SONY、マイクロソフト等、国内外の大手メーカー、それらを支えるものづくり企業、情報系企業が集まる品川・大崎にあり、交通アクセスにも恵まれたSHIPは、2015年6月にオープンした東京都内でも珍しい自治体が運営する大規模の産業支援複合施設で、エンジニア、デザイナー等の国内外クリエイターや、ベンチャー、スタートアップ等、さらなる飛躍を目指す企業が交流できる新たなスペースだ。
イベントスペース、貸会議室、コワーキングスペース、オフィス等、様々なシーンで活用できるスペースの他、特筆すべきは、3Dプリンター、レーザーカッター、4軸切削加工機、測定顕微鏡、研磨機、CADソフトまで有する工房が併設されていることだろう。
その特徴からか、16室のオフィススペースに入居する企業もバイオベンチャー、工作機械、設計事務所、デザイン会社などの次世代を担う国内外の企業が名を連ねており、常に満室状態だという。
約30人程度のイベントができる多目的ルームを囲むようにコワーキングスペースがあり、品川区民でなくても会員になることができる。自治体の運営ということもあり、法人・個人会員の他、ワンタイム会員としての利用も可能で、地方に本社を持つ企業や個人起業家の利用も目立つ。
別階にあるブライトコアホールはスクール形式で360席、シアター形式で460席収容可能。会議、セミナー等のビジネス利用の他にもパーティやプレス発表等様々なイベントに対応可能で、料金はとてもリーズナブル。
こちらは1年先まで予約が埋まるほどの人気スペースだ。
また指定管理者としてSHIPを管理・運営する品川ビジネスクラブは、受賞者に賞金の他シリコンバレーツアー、さらにSHIPコワーキングスペース1年無料券の副賞が付くビジネス創造コンテスト(品川区共催)を開催している他、しながわ産業・創業支援施設合同交流会、マーケティングセミナー、Lightning Talk大会等独自のイベントを企画・開催しており、日本マイクロソフトや関東経済産業局等からアドバイザーを招き、1対1で相談・アドバイスがもらえる「スタートアップカフェ」も人気がある。
他のコワーキングスペースとは一線を画すSHIPは交通アクセスはもちろん、レストランやカフェ等も同じ建物内にあり、オープンスペースを利用する企業や起業家とも交流ができる新たなビジネスハブとして、今後ますます利用者が増大するであろう。 SHIP主催の今後のイベントにも是非注目していきたい。
学生起業家のミュージックフェスティバル
今や起業家の多くは学生。
アメリカでは、学生起業ブームとでも言って良いほど学業と共にビジネスを立ち上げる人達が増えてきた。在学中に起業する利点といえば、プログラマーが必要ならコンピューターサイエンスを専攻している友達に頼むなどチーム構成もしやすい。
ただ、投資家を探すとなると一苦労。そんな学生起業家達が絶対に見逃したくないイベントを企画するスタートアップがある。ただ単なるピッチコンテストではない。学生達にとってもっと魅力的なスタートアップイベントなのだ。
今回はRECESS(リセス)のコーファウンダーであるDeuce Thevenow氏にインタビューを行った。
RECESSとは
全国の大学をまわり、学生ピッチコンテストとコンサートを開催する。予選は全国の大学で行われ、予選を通過したスタートアップはField Trip(フィールド・トリップ)と呼ばれるロサンゼルス又はラスベガスでの決勝戦へ参加する事ができる。
参加する大学はマサチューセッツ工科大学やハーバード大学など、世界的に有名な大学も多く参加する。
RECESSはMark Cuban氏にメールしたところから始まった
インディアナ大学在学中に出会ったDeuce Thevenow氏とJack Shannon氏は、EDM好きという事もあり大学キャンパスで行えるミュージックフェスティバルを企画するビジネスを立ち上げた。彼らのイベントはGLOWfestと呼ばれ10万人以上の学生が集まる大イベントになった。ある時、このイベントで学生起業家達が投資家にピッチ出来る機会を設けることで、より面白いイベントになるのではないか?と彼らは考えた。
返信は無いかもしれないが…と、ダメもとでインディアナ大学の卒業生、そして有名投資家であるMark Cuban氏にこのアイデアをメールしてみる事にしたそう。
なんと返信があっただけでなく、Mark Cuban氏がRECESSの投資家として参加、ここから「RECESSミュージック+アイデアフェスティバル」が始まったのである。
学生がこのイベントに参加したい理由
これには多くの理由がある。
ファイナリストは、世界的に有名なベンチャーキャピタリストの前でピッチする機会が与えられる。そしてなんと超有名投資家であるTim Draper氏とスカイプを通しアドバイスがもらえる。こんな機会はめったにやってこない。
決勝戦はロサンゼルスかラスベガスで行われるが、交通費や滞在費など全て無料。
勝者へは25万ドルの賞金が与えられる上、Tim Draper氏が創立したDraper Universityへのフル奨学金が与えられる。この大学には起業家が集まり、メンターも豊富。起業家として成功する為のノウハウを教えてもらえる最適の場所なのである。
そしてピッチ予選最終日に行われるコンサートもとても魅力的。アーティストはThe ChainsmokersやDiplo、Calvin HarrisやAviciiなど有名アーティストが参加するので絶対に見逃したくないイベントなのだ。
RECESSはイベントを開催するだけでない
全国100件以上の大学と提携し、メディアとしても活躍する。魅力的なコンテンツの作成や大学内のインフル―エンサーマネジメントも行っている。
RECESSのフェイスブックページでも面白いコンテンツが良く掲載されている。
そして、大学と企業スポンサーを繋ぐ役割など、多方面にて活躍中だ。
国外の大学からも問い合わせがあり、海外でも近い将来イベントを開催しグローバルに活躍したいとThevenow氏は語った。現在アメリカでは多くの企業がスポンサーとしてイベントに開催しているが、特に日本のゲーム会社、携帯電話会社、リテールブランド、消費者向け商品ブランドなどにもスポンサーシップに興味があれば参加してもらいたいと話してくれた。
日本の大学でも、ぜひ近い将来RECESSのイベントを開催してもらいたい。アメリカのあるビジネス雑誌の統計ではアメリカの20代の60%以上は起業したい意志を持っているという記事を読んだことがある。日本でも多くの学生起業家が生まれることを楽しみにしたい。
*日本でRECESSイベントを開催したい大学関係者様がいらっしゃいましたら、弊社の「お問い合わせ」フォームよりご連絡下さいませ。
ロサンゼルスのスタートアップ起業家はここで全てを学ぶ